気づいてよ。【ハイキュー】 (ページ2)

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満開の桜が散り始めた、4月ー…

梟谷学園高校の入学式を迎え、バレー部に入部した。

「杜中学出身の赤葦京治です。」

新入部員が次々と挨拶をしていく中、ひとまわり小さな女の子がいた。

「マネージャー希望の真白Aです」

これが俺と彼女の出会いだった。

梟谷学園は全国大会に出場している強豪校で、練習は毎日がハードでキツい、辞めていく部員も沢山いた。

「真白ちゃーん、ドリンクとタオル用意できてる？」

「はい、今すぐ持っていきますね！」

「さんきゅ、助かるー！」

無駄ひとつない辺りを動き周る小さな背中をふと見つめた。

大変そうだとか…そんなセリフすら出てこない…

この時の俺は他人を考える余裕なんてなかったし、自分のことで手がいっぱいだった…

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「赤葦」

「…どうしたの？」

「あ、えっと…水分補給した？」

「…まだだけど？」

「今日、暑いからちゃんとこまめに飲んだ方がいいと思う」

「…ありがとう」

真白は口を少し開けながらこちらを見つめてきた。

「真白…？」

「赤葦って喋るんだね」

「真白は俺をなんだと思ってるの？
俺だって普通に話しかけられれば話すけど？」

「ご、ごめんなさい…
私、赤葦と話したことなかったから、少し嬉しくて」

「そう…なんだ…」

確かに真白も俺も違うクラスだし、部内でも話す機械もないし、会話という会話なんてしたことなかった。

不思議そうに見つめながら「赤葦…？」と俺の名を呟いた

「嬉しいなんて初めて言われた」

「そう？」

「うん…」

「あ、そろそろ仕事に戻らなきゃ。
赤葦、ちゃんと飲んでね」

「うん、ありがとう」

ふわりと笑う真白が可愛いと思ったのは、そっと胸にしまっておこう…

それから、少し話すようになって頑張っている真白…

変な歌う真白や、意外と大雑把な真白…

試合に負けて誰よりも悔しそうにする真白…

色んな真白を知るたびに目が逸らせないくらい『好き』になるのには時間が掛からなかった。

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