第9話 ページ11
☆
in 部屋ー…
「む…」
スマホを開き、愁という文字のトークと睨めっこをした。
「声が聞きたい」って打ちたいのに手がなかなか動かない。
愁だって忙しいのに、なんだか邪魔したくないな…
「ええーい!女は度胸だ!」
Aお疲れ様、愁。今、時間あったりする?
私は送信した!私、頑張ったわ!
でも…返信返ってこなかったら…どうしよう。
とりあえず心を落ち着かせながら、今日買ったものを机に広げて生地を型に合わせて切っていく。
ちらちらとスマホに目をやりながら、やはり返信がこない…
「今はこっちに集中しよっと…」
なんだかんだで意外と集中することができた。
愁への誕生日プレゼントはレザークラフトのスマホケースにした、あっという間に完成しちらっと自分のスマホを見つめる。
愁返信が遅れてすまない。何かあった?
やばい、返信きてた…
返信から時間がたってるのにも関わらず、どう返信すれば良いかうじうじと悩んでしまう…
ただ、声が聞きたいと素直に伝えることができれば……
「うわ、ぁ、あ、着信きたっ…」
着信ボタンをおして、慌てて耳元にスマホをあてた。どうしようと動揺が止まらない…
「もしもし…?」
『…A?』
「うん、そうだよ。…愁、急に連絡なんかしてごめんね…」
『いや、何か俺に用でもあった?』
「えっと…その、部活はどうかな?って」
『普段とはあまり変わりはないけれど、ただ…』
「愁…?」
『いや、なんでもないよ』
「そういえば、鳴宮湊と竹早静弥の2人って元桐先だよね」
『…2人がどうかしたのかい?』
「風舞弓道部にいたから…」
『それは本当??湊がまた…弓に??』
「うん、早気を直そうと一生懸命頑張ってるよ…」
『そう…俺は湊が弓に戻ってくるって信じてた。こんなに嬉しいことはないよ。教えてくれてありがとう。』
「……よかったね。愁。」
用事を思いだしたからと電話を切った…
愁の声はこの前聞いた時よりも低くくなって、思わず胸がドキっと高なると同時に胸が痛くなった。
普段とは変わりないと思っている愁。
優しい声の矢先は私ではなく鳴宮なんだろうと思うとモヤっとした感情に襲.われる…
鳴宮は何も悪くない、醜い複雑な人間の感情。
「やだな、こんな自分…」
恋愛は嬉しいことばかりじゃない…
ーーーーーーーーーーーーーーーー
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←第8話
147人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:るあ | 作成日時:2023年2月19日 10時