探偵学園Q 3話 (ページ6)

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…発見現場…
リュウ
「証拠を一切残していない事から考えて、犯人は用心深く犯罪に精通した人間だ。
　しかも死体をゴミ捨て場に捨ててる事から、注目願望症候群だと思われる。
　つまり、ストレスが溜まっているもの。歪んだ正義感の持ち主でもある。」

　いつも通り、ボイスレコーダーに録音していくリュウ。

A
「…ねぇ、どうして?」

リュウ
「何が。」

A
「どうして…私を連れてきたの?流一人でも捜査できるじゃない。」

　確かに。リュウらしくない行動だった。

リュウ
「それは…犯人は殺人鬼だ。一人の時に遭遇したら危ないだろ。」

A
「…心配。してくれたの?」

リュウ
「……」

A
「…ありがとう、流。」

リュウ
「別に。」

　すると急にリュウがAを背中に隠す。

A
「流、急にな……ユリエ。」

　そう。路地の先からユリエがこちらを見ていたのだ。

…遊園地…
リュウ
「今回の事件も冥王星が絡んでいるのか?」

ユリエ
「だったらどうします?」

リュウ
「探偵学園の生徒として…やるべきことをやるだけだ。」

　そうハッキリ言い、リュウはAの手を取る。

A
「…流。」

リュウ
「…大丈夫。」

ユリエ
「何故冥王星から逃れようとするのですか!?」

リュウ
「…生まれながらに犯罪者の宿命を背負わされた人間の苦しみが…あんたに分かってたまるか。」

ユリエ
「では本当に冥王星を敵に回す覚悟がおありなのですか?
　Ｑクラスのメンバーが貴方達の正体を知った時、手を広げて迎えてくれると思いますか。
　あとで辛い思いをするのは貴方達ですよ。」

　ユリエはリュウの頬に手を添える。

　リュウはユリエの手を払い、Aを抱きしめる。

A
「え…流?」

リュウ
「僕にはAさえいればいい。」

　リュウはそのままAの手を引き、その場を離れる。

　帰り際にケルベロスとすれ違ったことに気づかずに。

ユリエ
「ハデス様は何故流様とA様を放任するのかしら。」

ケルベロス
「ハデス様には…ハデス様のお考えがあるはずです。」

ユリエ
「でもこのままでは…」

ケルベロス
「私にいい考えがあります。ムフッ」