16話 ページ16
A「幻太郎…！」
数ヶ月前にもAの涙を見たが、あの時とは様子が違うことは一目でわかった。
久々に聞くAの声は、幻太郎の鼓膜に沁み渡り、心がじわりと熱を持つ。
Aは、ぐすぐすと手の甲で涙を拭い、言葉にならない言葉を必死に伝えようとしていた。
背骨からビリビリと競り上がるなにかが、幻太郎の頭を麻痺させる。
A「今、幻太郎がどんな酷いことを言っても、私を傷つけることはできないからねっ！！！」
そう言って、涙で濡れた顔を幻太郎に向かって微笑んだ彼女の手首には、
湖の底に沈んだはずの、
あのブレスレットが輝いていた。
Aが自分に向かって微笑む姿を見るのは久しぶりだ。
体内の全ての血がもの凄い速度で逆流するような感覚に目眩がし、
全身が心臓になったかのかと思うほど鼓動が耳にうるさい。
今どんな顔をしているのか、自分でもわかる。
自分の顔を見られたくなくて、再びAの顔を自分の胸に埋める。
A「んぐっ」
っとAからくぐもった声が出た。
夢野「俺は、謝る気はないからな」
ぶっきらぼうにそう言うと、
Aが自分の胸元でふふっと笑う気配がした。
A「別にいいよ、私も勝手にゆるすから」
そう言って、もう一度Aは幻太郎に抱きついた。
その途端、幻太郎の心臓は爆発しそうな音をたてた。
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るうみ - 続きめっちゃ気になります()無理せず頑張って下さい！応援してます (2020年1月6日 23時) (
レス) id: d801fe8186 (このIDを非表示/違反報告)
そーか - 続きが楽しみです！頑張って下さいね！ (2019年12月31日 23時) (レス) id: 43c04a9725 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2019年12月31日 13時
