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13話 ページ14

安室side


“何としても彼らを潰さなくちゃいけないんだ”







その言葉は、潰れそうな俺の心を、無理やり立て直すように鷲掴みにした。





まだ壊れるな






そう言うかのように







赤井「そうだな…誰が悪いかなど言っている場合ではない。すまない、取り乱した。」






そう言う赤井は落ち着いているように見え、やはり俺なんかより大人だな…と思った





赤井「安室君」





コナン「安室さん…」





俺の浅はかな行動で、スコッチは死んだ。






二人はそうじゃないと言うけど、

やはりあの時、俺が居なければ…





俺さえいなければ…








「彼は助かったかもしれない…」




安室「えっ…?」





「降谷零が来なければ、赤井秀一が拳銃を奪われなければ、彼は死ななかったかもしれない…」





蚊の鳴くような声で話し始めた彼女の話を、俺はただ下を向いて耳を傾けるしかできなかった




「私もせっかくライフルをもって行ったのに、居たのがあなた達だからと、油断しすぎた。

そして彼も、そんなことが起きる組織で自分を守れなかった」






わかっていたのかもしれない




赤井秀一に全てを押し付け、自分にのしかかるものを減らそうと、減らそうと、していた…のかもしれない





スコッチが死んだ、その事実を受け入れたくなくて





「私もずっとそう思って、全てを憎んだ」





俺が赤井を恨んだように、また、彼女も俺たちを恨んだ






当然のこと、だな



恨まれるだけじゃすまないことをしてしまったんだ





俺が、俺がスコッチを殺した…







「でも…」





そう行って彼女は儚く笑った






「彼は帰っては来ない」




安室「っ!」





「どれだけ願っても、泣いて喚いて、恨んでも…彼はもう、この世の人間じゃないんだから」






わかっていた


頭では理解していた…



だけど、いつか、何食わぬ顔をして“ごめんごめん”なんて笑いながら帰って来るんじゃないかって…どこかで思っていた






安室「そう、だよな…彼奴はもう、この世の人間じゃぁ、ないんだよな…」







吐きそうなぐらいの悲しみに襲われ、目の前が滲んでいく



しばらくしてやっと、俺が泣いていることに気がついた






彼女を見れば、彼女も泣いているような気がした


涙なんて流れていないのに…





安室「うっ…ぁぁっ…っ……」





コナン「安室さん…」

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莉子(プロフ) - 零音さん» ありがとうございます!これからもよかったらよんでください! (2017年3月18日 13時) (レス) id: 6434e4011a (このIDを非表示/違反報告)
零音(プロフ) - おもしろいです!更新楽しみに待ってます!!頑張ってください!! (2017年3月17日 23時) (レス) id: 0fac29e216 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - カルーさん» あ!すみません!多分タイトルつけ忘れてたんだと思います(>_<)ありがとうございます! (2017年2月26日 17時) (レス) id: 6434e4011a (このIDを非表示/違反報告)
カルー(プロフ) - あの17話がない気がするのですが…。 (2017年2月26日 0時) (レス) id: 4f002d6ec0 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 皇さん» ありがとうございます(T ^ T)頑張ります(>_<) (2017年2月4日 23時) (レス) id: 6434e4011a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莉子 | 作成日時:2017年1月5日 1時

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