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「A、着いたよ！」
助手席のマネージャーの声で我に返る
車が止まるのがわかって
それだけで心拍数が上がる…
平常心を取り戻すために
身の回りのものをゆっくりと片付ける
急かすマネージャーをよそに
ゆっくり車から降りてスタジオを見上げた
「ついに、来た…。ファイティン、A！」
自分に活を入れるようにつぶやいた
マネージャーの後についてスタジオに入っていく
すれ違うスタッフと思われる人たちに「アニョハセヨー」と挨拶をしながら…
楽屋に入って荷物を片付ける。
あとから楽屋に来たマネージャーが慌て気味に言う
「ちょっと、挨拶行こう！先に入ってたみたいだから！」
気持ちの準備もままならないまま
急かされるように引っ張られて…
どうしよう…！
ついに、あの人に会える…！
ドキドキしか準備出来てないまま
楽屋の前…
トントントン
マネージャーがノックすると
中から「はーい」って声が聞こえて…
「失礼します」
そう言いながらマネージャーがドアを開けながら
もう片方の手で
アタシの背中をグイッと押し出した
そのまま勢いよく楽屋内に入ったアタシは
頭を下げたまま
「は、はじめまして！ Aデス！ 今日は、今日から、ヨロシクお願いします！」
パニックに陥りながらも韓国語で挨拶をしていた
「はじめまして！こちらこそ、ヨロシクね！Aちゃん！」
頭を下げたままで聞こえてきた優しい声…
受け入れてくれていることがわかる優しい声にホッとして
ゆっくり頭を上げた…
その視界に入ったのは…
あれ？
髪の毛…
赤い…
あれれ？
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作成日時：2013年10月12日 20時
