永遠のプリンセス ページ15
*
ヒニムが兵役についてすぐの頃
滅多に風邪をひかないのに高熱に冒されたアタシ
そんな時に限って実家の家族は旅行で
看病に来てくれる人もいなく…
ヒトリ高熱と戦っていた
熱に冒されて朦朧としながら感じる気配…
“きっと誰かに助けてほしいっていう願望なんだろうなぁ”
なんて考えながら
願望の中で看病される自分自身を感じていた
翌朝、ぼんやりと目が覚めると
だいぶカラダが楽になってた
寝返りを打とうとカラダを動かした時…
「………っ！？」
床に座ってベッドに頭を乗せて眠ってる人がいた
後頭部しか見えなくて
だけど、
“きっと…”って感覚があって…
人差し指で後頭部をツンツンしてみた
「…ん、んんっ…」
寝起き特有のなんとも言えない声が聞こえて来て
ゆっくりと頭が持ち上がる
「…あー、A…、起きた？ 具合どう？」
寝起きのぼんやりしたままのドンヘが優しく笑う
「うん、大丈夫…。ずっと、ついててくれたの？」
DH「んー、たいしてなにもしてあげられなかったけどね。あ、おかゆ食べる？リョウクお手製だよ？」
ヘヘッと笑いながら伸びをするドンへ
比較的にスケジュールに余裕のある時なのに
アタシの看病にあてさせちゃった…
「ドンへ、ごめんね…」
DH「なにが？」
「オフ、だったんでしょ？デート…、彼女と久しぶりに会えるんじゃなかった？」
たしか、そんなことを言ってた気がする
DH「デートはいつでも出来るじゃん。具合の悪いAを放っておくなんて出来ないよ！Aはオレの永遠のプリンセスだもん！」
体調が悪くて弱ってるせいか、
ドンへの言葉を聞いて涙が出そうになったのは内緒…
*
DH「ねぇ、Aー。やっぱり考えたんだけどさー。Aはオレにとってやっぱり永遠のプリンセスなの！んで、この子は…、えっとー」
わんちゃんを抱っこしてフワフワなでながら必死に考えてる
DH「んっとねー、プチプリンセス！やっぱりAは超えられないからね！」
ニコッと笑うドンへ
もう、なんでもいいよ
今もそうやってアタシを特別に扱ってくれるだけで…
「プチプリンセスの名前は決めたの？」
DH「うん！Yuki！真っ白フワフワで雪みたいでしょ？この子に似合うでしょ？」
並んで座りながら
Yukiをなでなでするドンへとの時間が
なんだかすごくシアワセに感じた
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作成日時：2014年1月23日 0時
