おかしな共同生活*01 ページ1
*
「Aー！」
ドンドン
「Aー！ Aってばー！」
ドンドンドン
騒がしい声と音で目が覚める
ここ最近の目覚めはこんなんばっかりだ…
「鍵、つけといて良かったぁ…」
ひとりごとをつぶやいて
ベッドサイドのテーブルに手を伸ばす
ケータイの時計を見ると
起きるまではまだまだの時間
ケータイを戻してから
布団をぐるっとカラダに巻きつけた
騒がしい声と音を無視して
二度寝の体制を整える
「ホラー！もう行くぞ」
「だって、Aに行ってきますって言ってないし、行ってらっしゃいって言われてないしー」
「ハイハイ、もう時間切れだからな。ココロの中でAに伝えておけ！」
「Aー！行ってきまーす！ オレ、行ってきまーす！！」
だから、
ココロの中で言ってってば！
まる聞こえって言うか
叫ぶな！
って言うか、慰めてる声すら大きいし…
声が聞こえなくなっても
バタバタ
ガタンバタン
なんだかいろんな音が聞こえてきて…
「安眠妨害で訴えてやろうかな…」
そうつぶやいた頃に、
やっと静寂を取り戻した
「眠れるわけがない…」
あんだけ騒がれたら二度寝なんて出来るわけがなくて
出勤まで相当時間があったけど
ベッドを抜けて部屋を出た
部屋はもちろん静寂に包まれていたけど
ソファーやらキッチンやら
見渡せば今朝のバタバタの残骸が残されてる
「だから、片付けてって言ってるのに…」
はぁっとため息をついては
いつものようにバタバタの残骸を片付ける
これも最早、毎朝のこと
この１ヶ月
同じように朝が始まる
この朝の始まりにうんざりしたのは
この生活が始まってすぐのことだった
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作成日時：2014年1月23日 0時
