#6 脱走と ページ10
『…であるからにして…』
暗い地下、周囲には赤い汚れがこびり付いた様々な器具が、見せ付けるように並べられている。その中央で錆びた金属製の椅子に拘束され座っている者は目の前の男を見上げ、この世のものとは思えない程光の無い目で記憶した内容を淡々と読み上げる。
新月の夜、木々が生い茂る深い森を肩で息をしながら明日を必死に生きようと走る子供たち。四肢がちぎれようとも構わない。今はただ走ることに専念し、何日もまともな物を口に出来ていない空腹も、靴を履いていないため足に木の棒やらが刺さり血が出る痛みも、何もかもを忘れただひたすら走る。
「_×××、もう少しで街が見えるはず」
『此処のご飯、少し温かった。』
この国の情報を言い出したかと思えばいきなりメシが温かっただの言い出した。ずっとロボットのように光の無い瞳に微かだが人間らしい光が宿った気がした。だがその光は次見る時にはもう消えており、全てを見透かされているような嫌な瞳に戻っていた。あれは見間違えだったのだろうか
開けた場所に出た。
少し下の方を見れば光が灯る街が見えた。
もう少しで終わるんだと思えば嬉しさで涙が溢れそうになる。でもまだだ。街にたどり着いてからも気が抜けない。目をゴシゴシと拭き、手を強く握り再び足を前へ、前へ可能な限り早く動かした。走っている途中、街に出たら何がしたい?と聞かれたので今、答えておく
「温かいご飯、食べたい。」
『……私が知る情報はこれだけ。』
そうか、と呟きインカムを繋げる。侵入者が盗み出した情報をすべて聞くことが出来たとの報告と奴をどうすれば良いのかを聞くために。目の前にいるのは年幅もいかぬ少女。だが、一応裏ではかなり有名な国の幹部。
少しでも下手を打てば此方が落とされる
さて、どうしたものか……
なんで?完璧だったはず、×××が考えたんだ、完璧で素敵で…なのにどうして?
どうしてこんなにも汚くなってしまったのだろうか。一緒に逃げ出した仲間の首を掴んだ医院長先生の周囲はゆっくりと時が進みポタポタと剣に血が伝い真っ白な地面を紅く汚して行く。さっきまで笑っていた仲間が動かない。医院長先生の隣には一緒に作戦を考えた仲間が居る。冷静な頭が状況を整理していく。やられた_!!
「_×××、逃げるぞ」
『…
きつく縛られていた拘束器具をちょっとした手品で外し、目の前の奴の首筋に噛み付き笑いながら一気に走った
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時空のラテ(プロフ) - 黒-kuro-さん» 見れてますだぜ(((遅い (2021年1月11日 18時) (レス) id: 12bfae36c2 (このIDを非表示/違反報告)
黒-kuro-(プロフ) - これ見れてる?え?((((設定友達限定になっててちょっと焦った (2020年11月17日 9時) (レス) id: 134062637c (このIDを非表示/違反報告)
黒-kuro-(プロフ) - 再始動!!!!!更新遅いかも!!!!!ホンワカやるぞ!!!!!多分。((((おい (2020年10月21日 17時) (レス) id: 134062637c (このIDを非表示/違反報告)
翡翠琥珀@さぶ - 紫龍@トニック割りさん» 詩が完成しましたー!確認のほうお願いします!https://uranai.nosv.org/u.php/novel/urarakohaku4/?p=A&ans=8 (2020年3月15日 12時) (レス) id: af9d01a1bb (このIDを非表示/違反報告)
紫龍@トニック割り - (独り言。気にしないで)最近勉強忙しくて中々更新出来てねぇや(笑)。 (2020年2月6日 7時) (レス) id: d104d608cb (このIDを非表示/違反報告)
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