闇の花【派生作品】

#6　暇 ページ7

「……これも慣れってやつかなぁ」

暗い部屋で1人、黒革の高級ソファとやらに寝そべりところどころ薄汚れた天井をじっと見る。特にこれといった面白さは無いが天井を見ることしかやることが無い。
1週間の休暇を貰いオーストウィク帝国に一時帰国したのだがやるべき事は一日で終わらせてしまい、遊び相手に一般兵士と模擬試合を行ったがすぐに飽きてしまった。

「ミモザ様、はしたないですよ。他の者にその様な御姿をお見せするわけにはなりませんので直ちに座って下さい。分かっていますか？貴女の立場を。」

「煩い、口を開くな。お前こそ分かってんの？自分の立場って言うやつを」

「もう一度言いますが、分かっておられますか？ご自身の立場を。」

溜息を吐きながら起き上がる。
先程からソファの横に立って居る専属護衛のリズ。彼、いや彼女にも隣に座って暇つぶしの相手になって欲しいと頼んだが無理としかいわない。面白くない。

「座ったから良いでしょー、氷持ってきてくんない？暇。」

「駄目です。」

「チェスの相手になって、やり方は教えるから」

「無理です。」

「ついにリズもお人形さんになったのかよ」

「ミモザ様」

「面白くない…………ねぇ……？」

ﾊﾟﾝｯと乾いた音が響き渡り脳がゆっくりと理解して行く。
頬が熱い、嗚呼叩かれたんだ
目を見開きリズの顔を帰ってきてから初めて見た。

「サンレームで気が緩んだんですか？此処はオーストウィク帝国軍基地です。貴女は出来損ないにも関わらず幹部になれたんですから…他の方の迷惑にならないようにして下さい。」

リズが苦しそうな顔をしていた。
理由は分かっているがリズらしくないと思っただけであとは何も。
氷とだけ言いソファに寝転ぶ。
やっぱり此処は面白くない、暇だ。

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