No.048 悠一さんの場合 ページ10
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紀章さんの腕の中で眠るのはあたたかくて、心地良かった
先に目覚めた私は紀章さんのほっぺにキスをして、
紀章さんとの恋人ごっこを終えた
まだ執事に戻りたくないと駄々を捏ねる紀章さんを宥めて、
次は、できるだけ早くしたいと立候補してきた、悠一さんだ
軽く朝食を済ませてから、
悠一さんに手を引かれて広い庭に出る
私より前を歩いたことのない悠一さんの背中を見るのは
初めてで、繋いだ手から彼の緊張が伝わってきた
「A様、」
「あれ？悠一さんは恋人に様をつけて呼ぶの？」
「……Aさん」
「まだ遠いな」
「A、」
「ん。それならいいよ。なに？悠一さん」
「敬語禁止は、難しい、な……」
「悠一さんはそうかもね。でもじゃあ、どうして次は私が
やりたいですなんて、立候補したの？」
「……昨日、谷山と仲良さそうにしているAを見て、
なんか……嫌だと思ってしまったから」
「それって、もしかしてヤキモチ？」
私の手を引いて先を歩く悠一さんが、立ち止まる
男の人に手を繋がれた経験は何度かあるけれど、
悠一さんはいままでの誰よりも、あったかい気がした
「……いえ」
「嘘ついてる？正直に言っていいんだよ。
いまなら誰も聞いてないし、私たち、恋人なんだから」
「……ヤキモチ、ですかね。自分でもわからない」
「みゆきお姉様の時みたいに、置いてかれるのが嫌なの？」
悠一さんは私の問いに答えないまま、また歩き出した
悠一さんが置いていかれることを怖がっているのなら、
私はみんなと離れることを怖がっているのに
そんなに心配しなくても、
私はみんなを置いて行ったりしないのに
広い広いお庭の、シロツメクサが生えている場所で、
悠一さんは私の手を離してしゃがみこんだ
「四つ葉探すの？」
私の問いには答えてくれないみたいだ
これが恋人らしいことなのかは全くわからないけれど、
日差しは日向ぼっこにちょうどいいし、と思って、
近くにあった大きめの石に座る
そういえば、ここに引っ越してきてすぐ、
諏訪部さんと四つ葉を探した
見つけられなかった私に、２つも見つけた諏訪部さんが
ひとつあげますってくれた四つ葉のクローバーは、
押し花みたいにしてハガキにしたんだっけ
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
