No.046 紀章さんの場合 ページ8
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「と、言うことを確認できたので、実験はじめるね。
きーやんだけ残って、他の人は部屋から出て。
何があっても入って来ないで。いい？
きーやんは私と恋人ごっこしてほしいの。できる？」
「えっ、俺が？Aサマと？」
「そう。敬語禁止ね、ほら、他の人出てって」
突然の私の申し出に、みんなはかなり狼狽えながらも、
紀章さんだけを部屋に残して出て行った
恋人ごっこをして手っ取り早く恋を知った気になろう！と
いうのは、私の考えたとても短絡的な作戦だった
それに必要なのは、彼らからの愛だけだったから
「ねえ、紀章さん」
「なんですか、」
「敬語禁止。私のこと呼び捨てして。
私も紀章さんって呼ぶから」
「えぇ……」
「いちばん簡単に私のこと呼び捨てしそうだったから、
紀章さんからスタートなんだけど。まさか期待はずれ？」
「いや、俺は別にいいけど……
あとで諏訪部さんに怒られそうで怖いんだけど」
「私からの命令なのに？」
「それもそーか。よし！A、なにする？」
「ふふ。ケーキ食べよ？タルトがあるの」
「いいね。俺も座れるんだ、今日は」
嬉しそうに私の隣に座った紀章さん
いつも私の食事の世話をしてくれるのは快適だけれど、
隣に座ってくれるのもまた違った楽しさがあった
「紀章さん、紅茶淹れてあげる」
「マジ？ありがと。お礼にケーキ食べさせてやるよ」
「え？」
「ほら、あーん」
タルトの刺さったフォークを差し出されて、口を開ける
俺にもして、と言われて、同じようにフォークを差し出した
なんだかほんとの恋人みたいで、ドキドキしてしまう
やっぱり最初は紀章さんにして、正解だったかもしれない
「キスはしていーの？」
「えーと、口以外なら……」
「なーんだ、残念。でもいーや。ほっぺにしちゃう」
ちゅ、と音がして、紀章さんが私のほっぺにキスをする
私の頭をぽんぽんと撫でて、離れていく紀章さんの顔は、
とても楽しそうに笑っていた
タルトを食べたばかりのいまの紀章さんの口は、
きっと甘い味がするんだろう、なんて考えてしまう
「A、好きだよ」
「……急に？」
「恋人なら急に好きって言ったっていいでしょ」
「そういうもの？」
よくわからないが、
耳元で紀章さんに好きだと言われるのは悪くない
嬉しそうな紀章さんの顔を見ていれば、尚更
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
