No.070 新婚生活 ページ35
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悠一さんがいなくなって、食事に時間がかかるようになった
私の希望通り、拓也くんはできるだけ一緒の時間に
食事をしようとしてくれているけれど、
私の舌に合う料理が出てこないせいで、
私は苦手な食材をどうにか飲み込むのに精一杯だ
これはイヤ、美味しくない、食べたくない、
そんな言葉はできれば私だってあんまり言いたくない
拓也くんは残したらいいって言ってくれるけど、
いつまでも子供みたいなのは恥ずかしい
結局、悠一さんが抜けた穴は諏訪部さんが埋めている
料理は基本悠一さんに任せていたから私の好きな味なんて
知らないはずなのに、
諏訪部さんは私のことならなんでもわかってるみたいで、
用意してくれた一流シェフには悪いけど、
諏訪部さんの料理の方が美味しかった
紀章さんがいなくなって、メイクは自分でするようになった
残されたメイク道具を適当にいじくって、
毎日なんとかなっているけど、いまだに詳しくは知らない
結婚式の日みたいに、いちばんかわいい私にはなれないまま
そうやって私が自分の顔と向き合っている間に、
髪をセットしてくれるのは諏訪部さんだ
結局諏訪部さんの負担が増えてしまっているけれど、
髪を巻いたり、結ったり、ティアラを固定したりってことは
私にはまだ難しすぎる
櫛で梳かすのだって腕が痛くって仕方ないし、
ドライヤーは小西さんにやってもらっている
吉野さんは当初の予定通り、私のお世話は全然してくれない
少し、寂しい
「Aちゃん」
「あ、拓也くんもう行く？」
「うん。今日の服、いいね」
「ありがと。メイク変じゃない？」
「変じゃない、可愛い。今度コスメブランドも呼ぼうね」
「いいの？」
「うん。似合うの探したいし」
「楽しみにしてる。いってらっしゃい」
「いってきまーす」
いってらっしゃいのちゅーをしてほしいって言ったのは、
拓也くんの方からだったのに、
彼はいっつも忘れて出かけようとしてしまう
恥ずかしいのか、ほんとに忘れてるのか、わからないけど
「いってらっしゃい、拓也くん」
触れるだけのキスをして、拓也くんを見送った
結婚してから毎朝やってるのに、私の隣にいる諏訪部さんは
いつもそっぽを向いて見ないフリしてくれている
さて、今日は小西さんの経済学講座だ
悠一さんがいなくても、紀章さんがいなくても、
新婚生活、私はなんとかうまくやれてるよ
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
