No.069 初夜 ページ34
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私、小野Aの生まれて初めてで一世一代の結婚式は、
予定通り滞りなく行われて、
私は小野Aから、江口Aとなった
誓いの言葉も噛まずに言えたし、指輪もうまく嵌められた
拓也くんとはじめてしたキスは緊張で覚えていないけれど、
キラキラな拓也くんの髪が私の額に触れて、
意外とふわふわしてるんだなと思ったことは覚えている
私に友達はいなかったけれど、お父さまのお知り合いが
山ほど参列してくれたみたいで、挨拶ばかりしていた
佳正さんに綺麗だなって微笑まれたのが、嬉しかった
拓也くんがずっと私の隣で嬉しそうだったのが、幸せだった
結婚式は、思ったよりも輝いていた
「今日のAちゃん、ほんと綺麗だったなー」
「今日だけ？」
「いつも綺麗だけど！今日は特に、ね」
私たちの新居にはじめて二人で帰ってきて、
そこに悠一さんと紀章さんの姿がないのがひどく寂しい
「Aちゃん、先にお風呂入る？」
「いいの？」
「それとも一緒に入る？」
「それはない」
「はは、きびしーなあ」
「一応もういっこお風呂あるからそっち行って」
「ひとりで露天風呂はさみしいよ」
結局お風呂は別々に入ったけれど、ベッドはひとつだ
広いベッドだから、そんなに近いわけじゃないけど、
やっぱり少しは緊張してしまう
「疲れたでしょ、Aちゃん」
「え、うん、まあ」
「……大丈夫？」
「なにが……？」
「いや、なんかすごい体に力はいってるから」
「う……」
おそろいのパジャマに、同じ香りのシャンプー
乾いたばかりでさらさらの髪に、眠そうな拓也くんの瞳
緊張しているのは、私だけなの？
「あのね、拓也くん」
「うん、なあに？」
「今日私たちキスしたでしょう」
「えっあっ、はい。しました……」
「私その時、すっごく緊張してて」
「あ、そうだったの？」
「うん。だからね、あんまり覚えてなくて」
「あー……」
「もっかい、ファーストキスのリベンジ、してほしいの」
拓也くんは眠そうだった眼に力が入って、
困った顔をしながらも、わかったと頷いてくれた
「あの、Aちゃん」
「ん？」
「今日はキスしかしないからね？」
「うん。私もそのつもり」
「あ、なんだ。誘われてんのかと思った」
「ちがうよ」
拓也くんは私の返事に、なーんだと笑って、
そっと触れるだけのキスをしてくれた
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
