No.067 それぞれの想い ページ32
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「A様、まだ起きてらっしゃったんですね」
「……べーさん」
「お部屋まで一緒に参ります」
「ありがとう」
紀章さんの部屋から出て、諏訪部さんに会った
二人の新しい道を応援しようと決めたものの、
離れるのはやっぱり寂しい
「いかがなさいましたか？」
「……なにが？」
「失礼ながら、泣いていらっしゃるようなので」
涙は一粒も流していないのに、諏訪部さんにはわかるらしい
自室のベッドに座って、深く深く、深呼吸する
「べーさんは、私に話、ない？」
「お話ですか？そうですね、特には」
「そっか。よかった」
「なにかありましたか？」
「うん……ゆーきゃんときーやん、執事やめるって」
「中村と谷山が？……そうですか」
「知ってた？」
「……相談はされました。結論を出したのは本人ですが」
「そっか……」
諏訪部さんはいなくならないってわかって、少し安心した
紀章さんはいつか私の手から離れていくだろうと
予想していたから覚悟はできていたけれど、
まさか悠一さんがいなくなるなんて思わなかったから、
ちょっとだけ、気持ちの整理がつかない
「ねえ、べーさん」
「なんでしょう」
「他の二人は、なにか言ってなかった？」
「小西と吉野ですか？そうですね、小西はA様の執事
として骨を埋める覚悟ができているように見えました」
「じゃあよっちんは？」
「運転手としてお側におりたいと申しておりましたね」
「運転手？」
「はい」
「私の服、作ってくれないってこと？」
「おそらくは」
「……どうして？」
「さあ……A様に自立してほしいようでしたけど」
「いやだ！私、いつまでもよっちんが作ったドレスがいい」
「そうはいきません」
「どうして？」
「吉野は、A様のウェディングドレスを、
A様の装飾担当として最後の仕事にしたいようです」
明日の結婚式で私が着る予定のウェディングドレスを
作ってくれたのは、紛れもなく吉野さんだ
私が一番こだわりたいシルエットをわかってくれて、
当日つける予定のティアラと合うように足のつま先まで、
丁寧にデザインしてくれた
煌びやかで派手で上品で、それでいて重すぎないように
私の気に入るウェディングドレスを作ってくれた
それが、吉野さんの最後の仕事になるなんて
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
