No.060 ふたりの新居 ページ25
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新居ができた
両家の権力を総動員させたおかげか、3ヶ月で建った
結婚式はまだまだ先だけど、
私は先にそこに引っ越すことにした
「大きなベッド、肌触りのいいシーツ、枕はたくさん」
「Aちゃんの好きなようにしていいから」
「私たち、同じベッドで寝るの？」
「当たり前でしょ、夫婦なんだから」
江口さん、じゃなくて拓也くん、と呼ぶようになって、
彼は私のことをAちゃんと呼んでくれるようになった
慣れないのは私だけのようだ
今日は家具やら家電やらの細かいことを決めるために、
ふたりでできたばかりの新居を訪ねてきたのだ
「かわいいカーテン、毛足の短い絨毯、オシャレな椅子」
「応接室は、僕が決めてもいい？」
「いいよ。私たぶん使わないし」
「欲しかったソファーセットがあるんだよねー」
「どんなの？」
「僕の好きなブランドの一番高いやつ」
「へえ。かっこいい」
「でしょ」
拓也くんはソファーの画像を見せてくれた
そういえば私って、別に家具ブランドに興味なかったな
使いやすさが大事だし、色合いの方が気になるし
「拓也くんは、タオルとかってこだわりある？」
「あー、気に入ってるところはあるけど」
「ふわふわ？」
「うん。ふわふわ」
「じゃあ私もそこでいいや。たくさん頼んどいて」
「いいの？」
「いい！私はふわふわならなんでもいいから」
どうせ髪を拭くのも顔を拭くのも私ではない
バスタオルだって、あまり気にして使ったことはないし
洗顔クリームとかシャンプーとか石鹸とかの消耗品は、
執事が今まで通りに用意しておいてくれるだろうな
「執事の部屋は、本人たちに決めさせればいーかな」
「Aちゃんがそれでいいなら」
「拓也くんの執事さんは何人くらいいるの？」
「通いの人も入れれば、10人かな」
「そうなんだ。私は全員住み込みで５人」
「知ってる」
「そっか。えへへ」
ふたりで新居を歩きながら話しているのは楽しかった
結構動くかもしれないから、という理由で
今日はワンピースにヒールのない靴できたのに、
拓也くんはそれも似合っててかわいいって言ってくれたし
階段をのぼるときは手を繋いでくれたし
お父さまみたいに、私の意見を無視したりしなかった
貴族でも、お父さまみたいに傲慢な人ではないのが、
なんだかとても嬉しかった
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
