No.058 条件 ページ21
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だから、引き止めた
「待って、」
「……A様と江口様の、お邪魔かと」
「邪魔じゃないから。江口さん、ひとつお願いがあります」
「ん？」
諏訪部さんが開けかけたドアをまた閉めたのを確認して、
江口さんに向き直る
私が決めたことは、江口さんとの結婚だけじゃない
「結婚には、私の執事も全員、連れて行きます」
私の宣言にいちばん驚いているのはきっと、
私の後ろにいる諏訪部さんだろう
目の前の江口さんは、それほど驚いた顔はしていなかった
「Aさん」
「はい」
「普通、結婚に執事は連れて行かないのは知ってますね？」
「知ってます。でも私、本当に彼らがいないと
生活できないんです。
もし江口さんがこの条件を飲んでいただけないなら、」
「そんなこと言ってませんよ。別に執事も一緒でいいです。
僕はAさんと結婚できるなら、なんだって構わない」
江口さんが執事を全員捨てて嫁に来いと言うようなら、
結婚の話は無かったことにしてもらおうと思っていたのに
彼は私の言葉を最後まで聞くことなく、
あっさりと条件を飲んでしまった
「あ、ありがとうございます、江口さん」
「条件はそれだけですか？」
「はい」
「じゃあこれで正式に婚約ですね」
「そうですね……！」
「両家の挨拶などの細々したことは、また日を改めてから
決めましょうか。Aさん、今日は疲れたでしょう」
「え？そんなこと、」
「ありますよ。なんだか随分と悩ませてしまったみたいで、
ごめんなさい。でも、本当に嬉しかったです」
「あ、いえ……こちらこそ」
「Aさん、じゃあ今日はここで。もう帰ります」
「大したお構いも出来ずにすみません」
「いえ、最高の返事を頂きました。ありがとうございます」
「また電話しますね、」
「待ってます」
江口さんのリムジンの後ろ姿を見送って、息を吐く
自分でも気づいていなかったけれど、やっぱり緊張してて、
かなり疲れた
これでよろしいのですか？なんて聞いてくる諏訪部さんには
仕えたお嬢様の結婚が決まったのにそんなセリフなの？と
意地悪を言っておいた
別室で待機していた紀章さんが、
おめでとうございます！と私を抱き上げてくれる
はじめから、こうすればよかったんだ
みんなと一緒なら、相手が誰でも怖くない
それでも、江口さんという優しい殿方に出会えて、よかった
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--- 番外編 真夜中の執事たち→←No.057 あの日の返事
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
