No.053 実技演習！？ ページ15
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小西さんは驚いた表情のまま固まっていた
私だって自分に驚いている
強がってそんなことを言ってみたけれど、
もし本当に小西さんに触れられたらと思うと、怖かった
小西さんの首に回した腕から、震えが伝わったみたいで、
彼は黙ったままで私の腰に手を回し、
反対の手で私の頭を優しく撫でた
「A様にそんなことを言わせて申し訳ございません。
しかし、私でも教えられることがございます」
「……なに？」
「そうですね。ひとつめは、大抵の男はA様を
軽々と持ち上げられること」
そう言うと、私をお姫さまだっこして、歩き出す
ベッドにゆっくりと下ろされて、胸がドキリと音を立てた
「もうひとつは、」
「な、なに……？」
「いくら多くの護身術を身につけたA様でも、
こうやって両手両足をベッドにきつく縫い付けられたら、
大人の男の力には敵わないこと」
耳元で囁く小西さんの声に、力が抜けていく気がした
本気で抵抗したわけじゃないとは言え、
こんなにも簡単に自由を奪われてしまった
私が習った護身術なんて、なんの役にも立たないのか
もし、真上から見下ろしている小西さんが、
優しい顔をしていなかったら、
私はそのまま泣き出してしまうところだった
「わかった……ごめんなさい。軽率だった」
「いえ。怖がらせてすみません」
「ううん。克幸さんは私のためにしてくれたんでしょ」
「しかし……」
「いいの、ありがとう」
「そうですか……A様、」
「うん？」
「きっとA様とご結婚される方は、貴族ですし、
このような乱暴なことはされないと思います。
しかし、覚えていてください。
たとえそれが乱暴な始まりではなくても、
A様が乗り気ではない時に、
A様の気持ちを無視してまで行われるべき行為ではない
ということを。嫌な時にハッキリと嫌と言う勇気だけは、
お持ちになってください。A様」
「……大袈裟な、」
「A様がご結婚された後で、A様を守れるのは、
他でもないあなたご自身しかいないのです、」
「わかったわ……ありがと、克幸さん」
真剣な顔をしている小西さんの言うことは、
素直に聞いておいた方がいい
結局、恋人らしいことはできなかったけれど、
私の心臓は小西さんに押し倒された時からうるさかったし
小西さんは、そのあとすぐにどこかへ行ってしまった
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ライ(プロフ) - 珠璃さん» そうなんですね、了解です！ありがとうございます！ (2022年5月20日 17時) (
レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - ライさん» 御二方いらっしゃるんですけど元々は中村悠一さんと小西克幸さん目当てで読ませて頂いてました！ (2022年5月20日 14時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
ライ(プロフ) - 珠璃さん» 初コメントで優しいお言葉をくださり、ありがとうございます、本当に嬉しいです。これからも頑張ります！ちなみにですが、誰を目当てに読み始めたとかはありますか？ (2022年5月20日 2時) (レス) id: 8d8b7851e6 (このIDを非表示/違反報告)
珠璃(プロフ) - 更新ありがとうございます、執事達との婚約パターンも見てみたいです、この作品を知ってから更新されるのが待ち遠しいです。気長に待ちますので、作者様のペースで更新なさってください。これからも楽しみにしています！ (2022年5月20日 0時) (レス) @page21 id: 80f8fa9bb0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：TOA | 作成日時：2022年5月3日 2時
