＊年下のあの子 05 ページ49
*江口side
・
江口「あの、俺もちょっとトイレ行ってきます」
木村「ん、ついでにAも連れてきて」
江口「はい」
良平さんたちを離れて早足で島田さんの姿を探す。
トイレだなんて大嘘ついてまで彼女を探している理由なんて、自分でもよく分からない。
でも、気になって仕方ない。
江口「居ない……」
まさか本当にトイレに行きたかっただけなのか。
そう思ったとき、外へ繋がる通路に小さな後ろ姿を見つけた。
………やっぱり
江口「島田さん」
『…っ、江口さん…』
パッと振り返った彼女の目は少し腫れていて、俺を見た瞬間隠すように涙を拭いて笑う。
『いや、花粉がひどくて…困っちゃいますよね、あはは…』
江口「…目、擦んないの」
目を擦る彼女の両手を優しく握る。
島田さん知ってる？
今日全然花粉飛んでないよ？
江口「…怖かったね」
『っ…』
江口「でも、ああやって必死に空気を変えようとした島田さんはすごく偉いよ」
「頑張ったね」と頭を撫でてあげると、涙がまたポロポロと零れ出した。
その涙を綺麗だと思う俺は、ほんとどうかしてると思う。
江口「ほーら泣かないの」
『江口さんのせいじゃないですかぁ…』
江口「いひひひ、よーしよーし」
『うぅー…むかつくぅ……』
江口「そこは”ありがとう江口さん♡“でしょ」
『イケメンすぎてむかつくぅ…』
江口「いて、いててっ」
うそ、全然痛くも痒くもない。
ポカッ、ポカッと俺の肩を泣きながら殴る島田さんが面白くてつい笑ってしまう。
泣くのか怒るのかどっちかにしてよ。
江口「目の腫れ治まるまでここに居ようか」
『江口さん先に帰ってていいですよ』
江口「泣いてる島田さん面白いからまだ居る」
『最低。散れイケメン』
江口「俺先輩ね」
もう俺に対して普通に生意気言うようになったな。
まぁ、俺としてはそっちの方が良いんだけど。
『ていうか、Aでいいですよ』
江口「へ？いいの？」
『江口さんにさん付けされると気持ち悪い』
江口「おい」
ふふふっ、と笑う彼女にドキッとする。
なんていうか、甘酸っぱくて心地いい。
『あー呑みたい』
江口「呑み行く？」
『私お酒強いですよ』
江口「うそ。A弱そう」
『勝負します？あ、もちろん江口さんの奢りで』
江口「だと思ったよ。いいけどさ」
『やった！』と喜ぶ彼女につられて俺も笑う。
このフワフワした気持ちが彼女への恋心だと俺が気づくのは、もうちょっと先の話。
*
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晴(プロフ) - 井戸さん» 同棲編はほんとに制限ギリギリまで責めようと思ってます(笑) よろしくお願いします！！ (2020年4月22日 18時) (
レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 武田さん» お金は江口くん本人へ！！！(笑) ありがとうございます！！続編もよろしくお願いします！！ (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
晴(プロフ) - 陽愛さん» こちらこそありがとうございますです！！！続編の方もよろしくお願いします！！ (2020年4月22日 18時) (レス) id: 7dca284c0c (このIDを非表示/違反報告)
井戸 - 同棲編ｷﾀｧｧｰｰ！！！ありがとうございます！！ (2020年4月21日 10時) (レス) id: 1e21205b19 (このIDを非表示/違反報告)
武田(プロフ) - ｳﾜｰｰｰｰｰｯ!!!!!続編!!!!!ｳﾜｰｰｰｰｰｯ!!!!!ｳﾜｰｰｰｰｰｯ!!!!!もう！どこに金払えばいいんですか!!!!!有難うございます!!!!! (2020年4月21日 1時) (レス) id: 784988d0c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる
| 作成日時：2020年3月29日 23時
