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久我side
「久我くんって何か怖いよね」
「いつも1人だし声小さくて何言ってるか聞こえないんだよね」
そんな事を言われるのは慣れてる
別に悲しくなんてない。一人の方が気が楽だし。
貴方「お腹空いたよ〜!早く購買行こ!」
花見Aさん。
気が利いて、優しくて、明るい、そんな彼女は当たり前のように学校で人気者だった
俺とは住む世界が違う
初めて見た時真っ先にそう思った
ドンッ
友達と楽しそうに話していた彼女は前を見ておらず俺が居ることに気づかないでぶつかってしまった
貴方「ご、ごめんなさい!!」
俺はなるべくこういう人達との関わりを持ちたくなかったから何も言わずに立ち上がりその場を去った
「なにあれ!感じ悪い!」
「気にしなくていいよ!」
後ろから聞こえる言葉にやっぱりああいう人種は嫌いだと思った
.
放課後いつものようにさっさと帰ろうと思い外へ出ると土砂降りの雨が降っていた
今日は寝坊して天気予報を確認し忘れてしまったせいで傘を持ってきていなかった
仕方ない…濡れて帰ろう。
諦めて帰ろうと一歩踏み出した時「待って!!!」と声がして振り向いた
貴方「これ、良かったら使って!」
そう言って差し出してきた傘
久我「えっ」
いきなりの事で戸惑っていると彼女は俺の手を取り無理やり自分の傘を握らせた
貴方「お昼の時は本当にごめんなさい!…じゃあまた明日!」
そう言って土砂降りの雨の中へ飛び出した
"また明日" そんな事を言われたのは高校に入ってから初めてだった
貴方「駅までいーれーて!」
友達「朝の天気予報確認しなかったの〜?笑」
友達「Aの事だから寝坊でもしたんでしょ!笑」
貴方「えへへっ」
久我「…!」
友達に笑いかける君の笑顔が今まで見てきたどんな笑顔よりも綺麗で恋に落ちるのなんて一瞬だった
でもね花見さん。
あの日君がくれた傘を俺は使えなかったんだ
熱すぎる自分の顔を雨で冷やしたくて
それになんだか使うのが勿体無くて
そんな事を思う俺はきっと馬鹿なんだろう
傘を持ってるのにささないでずぶ濡れで歩く俺を見て町の人達は不思議そうにしていた
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はっとり(プロフ) - かつかれ〜さん» 大変申し訳ないです(>_<;)よろしくお願いします! (2021年5月29日 23時) (レス) id: 9acfa2932f (このIDを非表示/違反報告)
かつかれ〜(プロフ) - はっとりさん» お返事ありがとうございます。そうですか…見れないのは残念ですが、新しい作品楽しみにしてます。これからも頑張ってください! (2021年5月29日 21時) (レス) id: 8e5062d0bb (このIDを非表示/違反報告)
はっとり(プロフ) - かつかれ〜さん» かつかれ〜様、コメントありがとうございます!そんな事を言って貰えるなんて光栄です(;;)パスワード作品についてですが、現在公開しておりません…申し訳ございません。 (2021年5月29日 10時) (レス) id: 9acfa2932f (このIDを非表示/違反報告)
かつかれ〜(プロフ) - はっとり様、とても素敵な作品をありがとうございます!この作品で、新たな扉を開いたと言っても過言ではない作品です。そこで、初期の方の梅原さんの作品など見たいのですが、現在パスワード公開はしてますでしょうか?お返事いただければ幸いです。 (2021年5月29日 9時) (レス) id: 8e5062d0bb (このIDを非表示/違反報告)
ヘイホー(プロフ) - はっとりさん» ありがとうございます( ; ; ) (2021年1月1日 13時) (レス) id: 756c64ebdb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はっとり | 作成日時:2020年12月22日 11時