お酒の失敗【江口拓也】 (ページ6)

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何故、彼がここにいるのだろうか。

『江口さんって何されてるんですか？』

「声優やってます」

『あ、だからラジオ局…』

「Aさんは女優さんですよね」

何故知っているのか。

江口さんに話を聞くと、昨夜自分で伝えたらしい…

『昨日はご迷惑をおかけして、すみませんでした』

「大丈夫ですよ。

でも、僕じゃなかったらと思うと怖いですけどね。」

『江口さんがお優しい人で良かったです…』

「そうだ。今夜空いてます？」

『はい。空いてますよ？』

「良ければ、飲みに行きません？」

『いいんですか？』

「ぜひ！」

江口さんと飲みに行くことになった。

酔い潰れるような女と飲みに行ってくれるなんて…

いいひと過ぎない？

『お疲れ様でした。ありがとうございます！

またお願いします！！』

ラジオの収録が終わり、スタッフさんに挨拶を済ませた。

スタジオを出ると、既に江口さんがロビーで待っていた。

『待たせちゃいましたか？』

「いえ、さっき終わったんです！」

きっと嘘なんだろうなとは思ったけど、そこは何も言わずに局を出た。

「どこ行きます？」

『ご飯も食べられる方がいいんですけど…』

「居酒屋とかでもいいですか？」

『全然いいですよ』

江口さんおすすめの居酒屋は個室もあって、芸能人には嬉しい造りをしていた。

『じゃあ、生で。』

「僕も生でお願いします。」

最初の一杯を注文し、改めて自己紹介を始めた。

『改めてになるんですけど、

小南Aです。女優をしてます。』

「あっ、江口拓也です。声優やってます。」

『お見合いみたいになってますねww』

「そうっすねw」

江口さんには昨日、私が名前で呼べって言ったらしく、そのまま名前で読んでもらうことになった。

私は江口さんだけどね。