推しに好かれた話【江口拓也】

06*° ページ8

撮影が終わり、江口さんが私の方へ向かってきた。



｢こんにちは！｣


『こんにちは。』


｢ここのお店の方だったんですか？｣


『はい。母の店なんです。』


｢素敵なお店ですね！｣


『ありがとうございます。』



何だこの会話。

推しと話す会話がこれでいいの？？

頑張れ私！！！

頑張った結果、座りませんかとカウンターへと誘導できた。

飲み物を聞いたら、ビールって言われたから出そうとしたけど、流石に次も仕事があるから冗談ですって断られた笑

結局コーヒーを出して座ると、すぐ江口さんから話が始まった。



｢お渡し会の日は、驚かせてすみませんでした。｣


『いえ、そんな！！』


｢でも好きってのは、本当なんです。

一目惚れってマジであるんだって思いました。

今も、こうして会えると思ってなかったので嬉しいです。｣


『私は、ずっと江口さんを推してきてたので、夢なんじゃないかなって思ってます…』


｢夢じゃないですよ！？｣


『はい笑

でも、急過ぎて頭が追いつかないっていうか…』


｢ですよね。

僕も少しずつ立花さんを知りたいです。

もし、もし良かったら連絡先だけでも聞いてもいいですか？｣


『そのことなんですけど、、

私はファンとして江口さんを応援したいと思ってるので、連絡先とかは教えられません。』


｢そうですか…｣



江口さんがわかりやすく落ち込んだ。

やばい推しが可愛い、、



『す、すみません！！

江口さんの反応が見たくて意地悪しました！

まさかこんな落ち込んでもらえるなんて思わなくて…』




江口さんは、今度は嬉しそうに携帯を出した。

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