推しに好かれた話【江口拓也】

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声優・江口拓也さん。


学生の頃の友達がアニメや声優さん好きだったから、私も見たり調べたりするようになった。


そして、気が付けば彼を推していた。


いつからなんてわからない。


気が付けば、彼を追っていたのだから。


今では、出ている作品は全てチェックしている。


ライブやイベントには当たらなくて、なかなか行けなかったけど、それでもDVDは買った。


学生の限界というものもあったから、友達と分担して買ったりした。


友達の推しは、木村良平さんだった。


私は、江口さんと付き合いたいなんて思っていない。


ただ、江口さんを1人のファンとして応援したいだけである。


そんな私は、初めて推しと対面するイベントに来ている。


江口拓也 写真集 お渡し会だ。


見事に当選した私は、ドキドキしながらお渡し会の列に並んでいた。


私の順番だ。



｢こんにちはー！｣



笑顔で迎えてくれた江口さん。

初めてこんなに近くで会う。

緊張して上手く話せるか分からない…



『こ、ここここんにちは！！』


｢漫画みたいに緊張してるね笑笑｣


『え、江口さんに会えるなんて夢のまた夢過ぎて…

神々しくて見れません…』



恥ずかしすぎた私は、手で顔を隠してしまった。


少し沈黙が続くと、江口さんが言った。



｢せっかく来たのに顔隠しちゃうの？？｣



私の腕をそっと開く江口さん。

待って、やばい。絶対顔が真っ赤だよ。

恥ずかしい、、終わったな…



｢…………！！｣



私の顔を見た瞬間、江口さんが固まった。


こんな少女漫画みたいなシチュエーションが恥ずかしくて恥ずかしくて、涙が出てくる。


そのままお互い無言を続けていると、ついに時間が来た。



『が、頑張ってください。』



最後の勇気を振り絞って出した言葉だった。



｢ちょっ、、あの… 好きです！｣



『…え？』



今、私に言ったの？



スタッフさんが目を丸くしていた。



いやいや、待って江口さん。



何このサービス。



話せなかったから？？？



この日は幸せで眠れなかった。



この出来事から始まったんだよね。



それでは、お楽しみください。



推しに好かれた話。

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