六/*私も一緒に ページ12
*君も、一緒に来る気はないかな?*
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"書物っていうのは、分かる…?
えーっと、君のお父さんが、この部屋に隠してるらしい書物があるって聞いてるんだけどさ、
…え、心当たりがある?ちょ、それどこ?教えてほしいんだけど…っ、
わ、分かってるよ。俺らも別に悪い人じゃないからさ、危害は加えないつもりだよ。…あ、そちらが先に手を出さなければ、ね。
――わ、その本なんだかそれっぽいね!
キヨくん、これどうかな?…ぁ、やっぱり?"
見たところ、悪い人たちではないようだった。
その後に、「それ、くれる?」などと、いかにも怪盗らしからぬ発言をされて、
私も、特にこの本の重要性は分からなくて、そのまま渡した。
隠し場所は部屋の奥の、お父様の肖像画の裏、だっけ。どっかのホラーゲームじゃないんだから、そんなところに隠してる必要ないのに。
そして、「じゃあね」と言い、ひょいと2人で窓から屋根の上へと飛び乗って
ジャスティスお得意のお手紙を机の上に置かれる。
そして、去り際に、仮面の人に言われた言葉で、心が揺らいだ。
君も一緒に、って
本当なら、迷っちゃ駄目なのに、行っちゃ駄目なのに、ついて行きたいなって思ってしまって、
私が悩んでいるのを見て、考えててって言われたけど、
『レトさんがどうしてもって言うから、俺も言うんだけどさ、
…お前、こんなところで一生過ごすつもりなのか』
それまで口を噤んでいたもう一人…髪の一部分が、金髪になっている人が、ぶっきらぼうに発せられたその言葉で、無意識に背中を押されていた。
私は自分でも気づかないうちに、「行きます」、とはっきり言っていた。
それに驚いたような顔をしたのは、仮面の男性の方だった。
でも、すぐに嬉しそうな顔になって、書物を抱きしめながら、ふっと微笑む。
――…そして、部屋から適当な服と靴を取り出して、久しぶりに、外の世界へと踏み出す。
屋根なんて乗れないと言うと、ゆっくり帰ろうか、と言って、慎重に、私も気遣いながら移動してくれて、申し訳なさがうまれた。
そして今も、なぜか格子にあいている穴から屋敷の外に出て、
口に出しては言えないけれど、結構幸せだった。
清々しいし、嬉しい。
.
理由なんて、無くてもいい。
直感だけど、この人たちは悪い人ではないような気が、どうしてもするから、
ここは一つ、仮ってことにして、さ――
「――…私も怪盗、やらせてくれませんか…?」
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九黒りる - 好きな実況者さんばかりでニヤニヤしながら読ませていただきました!!つわはすさんもレトさんも可愛くて、、これからも応援してます(*´ω`*)♪ (2014年10月1日 7時) (レス) id: f6bb59d71b (このIDを非表示/違反報告)
荏胡麻(プロフ) - 古今東西さん» うおおぉ!コメントありがとうございます!!いろいろなところでレトさんに萌える日々です!! 応援あざます!! (2014年4月22日 22時) (レス) id: cdfebcb40a (このIDを非表示/違反報告)
古今東西(プロフ) - レトさん萌えぇ! レトさん大好きですが、この小説のレトさん一番萌えまs← つか、この小説自体大好きです応援してます(*´∀`) (2014年4月22日 21時) (レス) id: 672c35980b (このIDを非表示/違反報告)
荏胡麻@ソウルメイト(仮)(プロフ) - ぷよっちさん» コメントありがとうございます!面白いだなんてそんな…!嬉しすぎます…!! 駄作ながら更新頑張らせていただきます! (2014年4月14日 22時) (レス) id: cdfebcb40a (このIDを非表示/違反報告)
ぷよっち(プロフ) - どうも!面白かったのでついついコメントしてしまいました゚.+:。(・ω・)b゚.+:。グッ 更新楽しみに待ってます!応援してます!! (2014年4月14日 21時) (レス) id: 5d6f6f880e (このIDを非表示/違反報告)
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