怪盗記録≠ジャスティス【実況者】

序章/*怪盗ジャスティス ページ1

――…昔に比べたら、この国には、犯罪などが多くなった。

治安が悪い。
一言で言えばそうなる。


盗み、殺人、誘拐、
それらのことが一気に増え出したのは、十年ほど、前。
経済が発展した、世界が発展したからこそ、それが有益になった者と、そうでない者がうまれた。

それが不利益となった者たちは、今までよりも酷い扱いとされ、一部の富豪たちからは、人と思われていないような扱いをされる、



―――だが、犯罪が増えても、警察は動こうとはしなかった。


理由ははっきりとはしないのだが、簡単に言うと、『そんな奴らのために国の金を使うなんて無駄』とのこと。


馬鹿らしかった。
この国も、それを支配する人間も。
私たちの国も落ちるところまで落ちてしまった。


――…だからこそ、警察が動かないからこそ、そのような犯罪者たちを捕まえるために、“探偵”なる職業が普及した。


探偵になるという者が増え、国も少しは平和になったかと思われた。

そんな矢先に現れたのが、怪盗。

その怪盗の中でも、今特に勢力を伸ばしているのは、
正義の怪盗と歌われている、怪盗集団『ジャスティス』。

一部の者はその集団を正義とし、一部の者は悪と見る。

……もちろん、警察、探偵らの敵ではあるのだが、
ジャスティスは、これといった凶悪犯では無かった。

物は盗むが人は殺さない。
周りに危害を加えるようなことは、一切しない。
金品は盗まず、他の物を盗む、とも聞いたことがある。
だから、一部の者はそれを正義とし、いつか政府に立ち向かってくれないかと願っているのだ。



ソーシャルネットワークサービス、SNSの普及。
それに伴い、その怪盗集団を支援するサイト等も多数作られた。



だがジャスティスは謎が多い集団で、
いったい何人いるのか、本拠地は何処か、何が目的か、などのことは、一切あかされていない。




正義の怪盗、ジャスティス。

その正体が分かる頃には、きっと…――

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