エゴイストな彼 2nd Ryosuke.Y

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目の前にそろったのは先ほど注文した和膳。


割りばしを割ったらその話はそこで区切られた。


会話は終わったけど、私の中では終わってない。


あれからって、…まさか別れてからずっと？

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私と別れてから一度も誰とも付き合ってないの？


だったらどうして...


大貴「やっぱ生姜焼きで正解だわ〜。」


A「よかったですね。」

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私は彼にふられたんだろう。

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そもそもふられた理由がわからない。


私に飽きたからなのか、


私の性格にうんざりしたからなのか、


将又、他に好きな人ができたからなのか。

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それすら聞けなかったのは別れ話を切り出されたときに、有岡さんが話を聞いてくれる気配もなかったから。


一方的に急に別れを告げられて、私は嫌だって言ったけど...


A「あの...」


今なら聞いたら答えてくれるのかな。

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大貴「ん？」


今更そんなこと聞いたら、もう二度とこんな風に話しかけてはくれないかもしれない。


そう思ったら余計なことは言わないほうがいい気がしてきた。


有岡さんの柔らかい声色に頭がぐらぐらする。

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狡い。


A「昼休み、何時まででしたっけ。」


大貴「んー...あと20分しかないね。」


腕時計で時刻を確認した有岡さんは食べ終わりそう。

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諦めようと思ったときに現れるこの人はなんなんだろう。


私はただ突き放されて、


別れた理由も聞かせてくれないくせに。


狡い人。

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全然よくないくせに、

私は、それでもいいやと思ってる。

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