エゴイストな彼 2nd Ryosuke.Y

25 *You* ページ25

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浮かれてお気に入りのスカートなんか着てくるんじゃなかった。


今日は朝からあいにくの雨で、会社どころか家の最寄の駅に着くまでにスカートは点々と斑点模様に濡れていた。


風も強いし、こんな時に髪も巻いてきちゃってさ。


わかりやすく浮かれぽんちな私はそれでもるんるん気分だった。

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本格的に梅雨入りをしたのか、朝のニュースでは傘必須と言っていた。


全国的にも雨な上に台風が近づいているらしい。


傘についた雨を降って払って、制服に着替えて受付のデスクについた。


A「おはようございます♡」

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音符が語尾にでもついてそうなテンション。


八重子ちゃんはうんざりとした顔をした。


八重子「昨日のAはどこ行ったの。」


A「どこ行っちゃったんですかねぇ。」

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ふふっと笑った私に八重子ちゃんはため息ひとつ。


慧「おはよう〜。」


へらへらと笑う伊野尾さんにも今日は笑顔で対応する。


慧「どうしたの？今日ふわふわしてて可愛いね。」

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あぁ、髪のことかな。


湿気で広がっているけど、ほめられたのは悪い気はしない。


慧「あ、いつも可愛いんだけどね。」


A「えー、ありがとうございます〜♡」

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慧「今日は？暇？」


A「え〜？今日は...、暇じゃないです。」


あっぶねぇ〜。


流れに乗せられて暇ですよ、と言ってしまうところだった。

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いや、暇だけど暇じゃないんだよ今日は。


っていうか伊野尾さんに誘われたときはいつも暇じゃないんだけど。


慧「そっかざんねーん。明日は？」


A「あ、明日、ですか？」

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A「明日はっ...」


明日も暇じゃないと苦し紛れな言い訳を喉の奥に引っ込めた。


大貴「ほら。今日は朝イチで会議だっつっただろ。」


慧「うげぇ。」

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