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ポーチのチャックくらい閉めておくんだった。
コロコロと転がったスティック状のマスカラか何かが化粧室から逃げる。
ファンデーションの安否を確認し終えた私の目の前に差し出されたメイク道具。
A「あ、ありがとうございます…？」
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涼介「いい趣味してんね。」
A「え？」
涼介「盗み聞きなんて。」
A「はっ？！違っ…！」
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こっちは聞きたくて聞いてたわけじゃないんだから。
出て行きたくても行けなかっただけだから。
さっきまで山田さんの隣にいた女の子は見当たらなく、目の前の彼は散らばったポーチの中身を拾い集めてくれた。
A「山田さんこそ…」
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涼介「なに？」
そっちだって…
A「なんでもないです。」
失礼します、と逃げるように受付に戻った。
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私とは全然対応が違った。
私が初めにあんな態度を取ったからってのもあるかもしれないけど。
あんな風に微笑まれたことなんてないし。
あんな優しい声で話しかけられたことなんてないし。
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あんな暖かい目で見つめられたこともなかったってことに気づいたからってなんなの。
やっぱり好きかも、って？
だからないっつーの。
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A「そちらにお掛けしてお待ちください。」
お次の方、と手を挙げた手を慌てて制止された。
八重子「ちょっとどーしたの。」
珍しいものでも見るかのような眼差しが先輩から向けられる。
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A「なんですか？普通に仕事してるだけじゃないですか。」
八重子「だから、それがおかしいって言ってんの。」
普通に仕事しておかしいと言われることがかつてあっただろうか。
熱でもあるの？と心配そうな視線を向けた先輩。
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A「こちらにお名前お願いします。」
カウンターでペンを走らす来客者に聞こえないように、声のトーンを下げる。
A「彼氏のいない人生も楽しそうだなって。」
八重子「え？急すぎない？」
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八重子「なんかあったの？」
A「ないですよ〜。」
八重子「山田さん。」
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すけさん。 - もう！！最高！！！やっぱりあすみさんセンスあります！！続き待ってます！！ (2018年7月26日 1時) (
レス) id: ebc261a2c4 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 続き待ってました！もう有岡くんが結構あれだからムカついたけどこの作品それも面白い所の一つですね！更新待ってます！ (2018年7月19日 0時) (レス) id: ef07307c7f (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - いやーなんか動き出しましたね！これからがもっと楽しみです！！ (2018年7月9日 12時) (レス) id: ef07307c7f (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - ドキドキです！更新楽しみにしてます。 (2018年7月5日 21時) (レス) id: bf142477e0 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - こやりんさん» こやりんさんありがとうございます（ ｉ _ ｉ ） ありおかくんとやまだくんに板挟み状態な主人公激ウラヤマシイ！ですね。（笑） (2018年7月5日 21時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あすみ
| 作者ホームページ：https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時：2018年5月19日 13時
