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えっ?と理解できない私に、山田さんは早くしろ!と私を呼んだ。
急いで定期を翳して、改札を抜ける。
ぷしゅー…と空気の抜けるような音と、開いたドアに走り乗った。
…あれ?鍵も取って来ずに乗っちゃったけどいいのか?
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A「どこ行くんですか?」
涼介「帰るよ。」
帰る、って…自分の家にでしょう?
じゃあ、強制的に終電に乗せられた鍵も持ってない私はどうするんですか!
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イジメか。どうしようもない途方に暮れた私を見て嘲笑ってんのか。
A「血も涙もない山田さんとはいえ、…さすがに酷すぎます…!」
涼介「は?おい。」
車内に人が全然いないから泣き喚いても迷惑にならないだろうし。
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酷いです〜!と泣き真似をしたところで、次の停車駅のアナウンスが聞こえる。
涼介「うちに泊めてやるって言ってんの。」
だから、聞き間違いかと思った。
アナウンスと混じって、言葉が化学反応でも起こしたのかと思った。
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A「え。」
今なんて言った。
元々泊めてくれる気でいたのか。
付き合ってもない男の人の家に?
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A「いや、普通に行くわけないでしょ。」
涼介「…あっそ。じゃーな。」
A「あ!いや、ちょ、待って!」
降りた山田さんを追いかけるように慌てて電車を降りた。
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スタスタと歩き進める彼の腕をやっとの思いで掴む。
A「待ってください!」
なんだよ、と面倒臭そうな山田さん向かって手を合わせた。
A「一晩だけ、泊めてください…」
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そうだよ。付き合ってもない男の人の家にふらふら入るなんて子じゃなかったのに。
山田さんに彼女がいないことだけは感謝する。
あと泊めてくれることもすごい有り難いけど。
A「な、なんですかっ?!」
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ふわりと手が乗った頭がグッと上を向かされた。
口角を上げた彼の、月夜に照らされて白く光る並びのいい歯が垣間見える。
涼介「お前これで完全に俺に頭上がんねぇな?」
見た目に反して大きい掌がグシャリと髪を乱した。
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すけさん。 - もう!!最高!!!やっぱりあすみさんセンスあります!!続き待ってます!! (2018年7月26日 1時) (レス) id: ebc261a2c4 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - 続き待ってました!もう有岡くんが結構あれだからムカついたけどこの作品それも面白い所の一つですね!更新待ってます! (2018年7月19日 0時) (レス) id: ef07307c7f (このIDを非表示/違反報告)
くるみ(プロフ) - いやーなんか動き出しましたね!これからがもっと楽しみです!! (2018年7月9日 12時) (レス) id: ef07307c7f (このIDを非表示/違反報告)
いく(プロフ) - ドキドキです!更新楽しみにしてます。 (2018年7月5日 21時) (レス) id: bf142477e0 (このIDを非表示/違反報告)
あすみ(プロフ) - こやりんさん» こやりんさんありがとうございます( i _ i ) ありおかくんとやまだくんに板挟み状態な主人公激ウラヤマシイ!ですね。(笑) (2018年7月5日 21時) (レス) id: 9eb015a482 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすみ | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/0059_asumin
作成日時:2018年5月19日 13時