信じてくれると思ってた。４【東リベ】

〈１４３〉 ページ3

黒「…ある日、偶然俺を捨てた母と会ったんだ。なんで俺を捨てたのか聞いたよ。そしたら、なんて言ったと思う？ 俺は母の子じゃなかった。父が前の女と作った連れ子だった」


「…………」


黒「俺は、他所の子で血が繋がってなかったんだ。兄貴もそれは知ってた。兄貴は血の繋がりは関係ないと俺に言ってくれたよ。でも、俺は違う。俺にとっては、1番大事な事だった。」


「…うん」


黒「兄貴は、本当に俺の兄貴じゃなかった。妹もそうだ。俺は、他人。血の繋がりがないから」


「………」


黒「…初めっから孤独なら耐えられた。なのに、あると思ってた幸せがある日突然奪われた。今の俺には何もない。何も無いんだよ」



イザナにこんな辛い過去があるとは思ってなかった…。


私は…、なんて声をかければいい？



黒「ハハ。でも、何も無いなら、奪うしかないよね？」


「奪う…？」


黒「ねぇ、凪紗はさ。俺の傍から離れないでよ。マイキーの所に行くなよ、お願いだから」


「えっ？」


黒「アイツだけには、凪紗を渡したくない。それに、アイツが全てを奪ったんだ。」


「マイキーが全てを？」


黒「奪われたんだ。だから、もう二度と奪われないようにするには、…殺すしかないよな？」


「!!! だめだよ!!」

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