【及川徹】顔が広いってよく言われます【国見英】

1話 脱・国見 ページ30

月日の流れは本当 早い。

気が付けば、もう中3。





『 おはよう国見くん 』

「おはよ…〜…」




そしてなんと、神様のイタズラか。

3年間国見くんとは同じクラス&
席がめちゃくちゃ近いんです…!




「…ふわぁ…ねむい…」




うわ、国見くんまたあくびしてる…

でもね、こういう時の対処法は
たった一つ、あるんですよ...!!




『 りんごキャラメル買ってきたんだけど〜 』

「国見英、眠気吹っ切れました」




そう。キャラメルで釣るのだ。


最近、塩キャラメル以外にも
興味を持ち始めたらしい。

1番はやっぱ塩キャラメルらしいけど。




『 よろしいっ。どうぞ、りんごキャラメル 』

「わーい。これも美味しそう…」




じゅるりという効果音が付きそうな程、

目を輝かせてる。




「…んぐ。…あ、美味しい〜。好み〜」

『 そっかー、"国見くん"のお口に合ったのなら何よりだよ〜 』

「………、っ………」




ってあれ？どうしたの国見くん。

…なんか、ちょっと落ち込んで…




「…3年間も一緒に居るのに、まだ"国見くん"呼び…おれ、名前で呼んでほしい…」

『 ぅぇっ!? 』

「…Aは…やだ？おれの名前呼ぶの」

『 う"っ… 』




く、国見くん…

きゅ、急な名前呼びはズルいよ…?!




『 …あ、英……? 』

「ん〜よろしいっ」



"へへ。英って呼んでもらえた〜"



…ねぇ、英…
きみ、可愛すぎじゃありませんか…？

そんなに嬉しそうに笑ってると、
私の心臓がノックダウンしちゃうからやめよ？




*




「よーし。今日席替えすっぞー」




……え"。

…立花A、
朝からテンション下がりました。


だって、せっかく英と席近かったのに…!!




「うぅ…Aと席 とおくなる…」

『 …英ぁ…!! 』



う"ぅ"っ…

なにこの子。可愛いかよ。





「やだぁ。おれAと席隣になるんだもん」



「国見ーわがまま言うなー」





はうっ、と倒れていく
クラスメイトの女子数人。

笑いが起こる男子数人。


…今日も、騒がしいクラスです。







「……佐藤ー……立花ー！」



うぅ…英と離れ離れ…

私、友達あんまり居ないから
すっごい心細いよっ…




「…たーちーばーなー？」

『 う、うぃっす!? 』




目の前には怒ってる先生。

…あぁ、しまった…！
今、席替えのくじ引いてて私の番で…！



『 い、今すぐ引きますっ 』

「なに黒板向かってんだ俺が持ってる」

『 先生イジワルっ! 』

「してねーわ」

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