【及川徹】顔が広いってよく言われます【国見英】

"6人で強い方が強い"!! ページ19

徹お兄ちゃんが嫌いな人。


影山くんもリストに入っているらしいが、
もう一人、毛嫌いしている人がいた。






ドオオオオン！！




『 ひぃっ… 腕もげる… 』




徹お兄ちゃんの同期の、

ウシワカさんって人。




今日試合して負けた、【白鳥沢】の人で。




あの人のスパイクは…バケモノだった。

あんなの触ったら腕もげる…






『 …へっくしゅ 』




…そういえば最近寒くなってきたなぁ。

もう、お兄ちゃんも引退の時期。



って言っても、まだ高校もあるけどね。




私も徹お兄ちゃんと

一緒の学校行きたいけど…



やっぱり、私は「烏野」に行きたい。

小さな巨人の… 学校に。





だから一緒には行けないけど、

最後の試合までサポートを頑張るつもり!!





『 じゃあ、明日のメニューでも予習しておこう… って、あれれ？ 』




可笑しい。

鞄にメモが入っているはずなのに、無い。



… そういえば、

今日体育館で出して…そのまま…




『 うわっ!!忘れてしまった!! 』




体育館に取りに帰らないと!!

ということで、走って学校まで戻った。





*




パァン!!




あれ…バレーボールの音。

練習してるのかな??








(なんで、勝てないんだ…!!)






でも今日は白鳥沢との試合があったから、

練習はないはずなのに…。






"「今の俺じゃ、白鳥沢に勝てないのに余裕なんてない!!」"






『 …この声は…徹お兄ちゃん？ 』





こそっと、声の方を覗くと

徹お兄ちゃんとはじめ先輩が居た。





…今日の試合で、負けて…

それでお兄ちゃん、こんなに…




「俺は勝って全国に行きたいんだ!!勝つために俺はもっと…」




…徹お兄ちゃん。

俺"は"って…なに？



徹お兄ちゃんは、一人じゃないのに…?!





俯いていると、ガツン!と鈍い音が響いた。

はじめ先輩が、
徹お兄ちゃんに頭突きして…た。





「ッたあ!!…なにす…」




「てめぇ一人で戦ってるつもりか！？」




「……！！」





「バレーはコートに6人だべや！！

相手が"天才一年"だろうと"ウシワカ"だろうと、6人で強い方が強いんだろうが！！」



「……岩ちゃん…」





…はじめ先輩。

"6人で強い方が強い"…かぁ。




『 ふふ、先輩らしい 』




ってああ！徹お兄ちゃん鼻血出てる！

はじめ先輩も額赤くなってる！！





『 ふ、2人とも！！ティッシュと絆創膏どうぞ！！ 』




あの後、急いで治療しました。



*

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