【及川徹】顔が広いってよく言われます【国見英】

++及川++ ページ12

一部始終、国見くんの可愛さに悶えながら

今日の部活は終了。



初日だから、まだマネの仕事は
まだ簡単だったけど。

明日からハードになるなぁ…！





でも、楽しみ！




なんてウキウキしながらモップを片付け、
荷物を纏めて体育館を出た。







「…あ、やっと来た。A、帰るよ」

『 え… と、徹お兄ちゃん⁉なんで居るの⁈ 』




校門の壁にもたれ掛かっている、

徹お兄ちゃんを発見した私。



え、なんで…？




「なんでって…A、もしかして一人で帰るつもりだったの？もうじき暗くなるよ？」

『 …ご、ごめんなさい… 』



いつにも増してお兄ちゃんが真剣だ。


…なんで、こんなに…？





「…まいいや。でも、警戒心が無さすぎるのはイケナイよね？」

『 …？警戒心って、なんの警戒するの？不審者…？ 』



別に、一人で帰るなんて普通じゃ…？

あ、最近不審者がここらで出たとかかな!?





「…………………はぁ」

『 そ、そんなに長いため息しなくとも！！ 』





「(…警戒心無さすぎでしょ…。帰り道、誰かに襲われたらどうするつもり？A可愛いのに…)」




…大人の事情ってヤツ、なのかな。

うん！きっとそうだ！私にはまだ早い！





『 じゃあお兄ちゃんも一緒に帰ろ！ 』

「はいはい、じゃあ行こうか」




ぽん、と頭に手を置いてから、

スタスタと先に行く徹お兄ちゃん。




…たまに本当のお兄ちゃんっぽくなるの、

きゅんってしちゃうからやめてほしい…。





『 って、待ってよー！ 』






*





『 でもお兄ちゃんの家、こっちの方じゃなかったのにいいの？ 』



二人で並んで帰る道。

なんか、ちょっと特別な時間。




「あー、いいのいいの。今日はタケルんとこで飯食ってく予定だったしねー」

『 …そ、そうなんだ。』




"よかったらウチにご飯食べに来ない？"

って、言えたら良かったのになぁ…。




はぁ、と項垂れると

徹お兄ちゃんがぴたりと足を止めた。





『 …？お兄ちゃ… 』

「今日、やっぱAんとこで食べてもいい？」

『 ぅえっ！？う、うん！いいよ！ 』




び、びっくりしたぁ …。



お兄ちゃん、私の思ってることと

おんなじ事言っちゃうんだもん…。





『 …あ、でも。タケルくんとこで食べるって… 』

「あ、それ嘘!」

『 …おーにーいーちゃーん？ 』









____


「(…口に出てたの、自分では気付いてないっぽい…とりあえず、Aかわい…)」


無自覚シスコン。

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