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ふと目が覚めると、時刻はようやく朝方に差し掛かる頃であった。
隣ではまだお香が丸まって眠っている。普段は色気のある彼女であるが、素顔のこのときばかりは少女のようでなおかわいらしい。
庇護欲が湧き、掛け布団を軽く整え静かに頭を撫でてやると、気持ちが良いのか呼吸が深くなった。
眠りを邪魔するつもりは決してなかったのだが、小さく開いた唇の無防備さに耐えられず、指先でそうっと触れてみた。
ふにふにと柔らかな感触と、少し湿って指に吸い付いてくる感覚がたまらない。昨夜の、彼女の肌のなめらかさを思い出してまた身体が熱くなる。
「……今日は早起きねぇ」
夢中になりすぎたのか、眠たげな声でお香が唇を震わせた。
「起こしちゃったね、ごめん」
「いいのよ」
微睡む彼女が愛しく、私は再び布団に潜り込んだ。お香の体に手を滑らせて額に口付けを落とす。
「寝てて」
脚を絡ませると、しっとりとした肌と肌が触れ合って心地よい。少し体温の低い彼女であるが、今はぽかぽかと温かかった。ぴったりと身体をくっつける。
「好きだよ、お香。君が一番」
素直な言葉が溶けてこぼれ落ちてきた。彼女が聞き取っているかはわからないが、そのままに続ける。
「すき、好きだ……」
温かさが眠気を誘い、私ももう少し眠ることにした。抗わず瞼を閉じる。
「……愛してる」
最後まで言えたかは分からなかった。この朝寝の虜になった私は、一人寝がひどく物足りなく感じるようになっていた。
次に目が覚めると、お香はもう体を起こしていた。襦袢のまま帯を務める蛇たちを撫でている。
「おはよう」
私も下着と襦袢を羽織って寝起きの掠れた声のまま言うと、彼女もにっこりと笑って返してくれる。
「お香の蛇ちゃんたちは本当にかわいいね」
「あらぁ、ありがと」
すりすりと顔を寄せてくる蛇の顎を指先でくすぐりながら、穏やかな時間が流れた。
「お香……」
「甘えん坊ねぇ」
彼女の肩口に額をつけるとくすくすと笑い声が聞こえる。細い腰に手を回し、合わせに手を入れた。
「いけない人」
「だめ？」
お香が今日は休みであると知っていてずるい真似をした。彼女は何言わず、私の頭に口付けを落とす。
「そうやってまたかわいいことして」
彼女の正面に向き直り、昨夜飽きるほどしたはずの接吻を繰り返す。ゆったりとした快感が体に溜まってゆく。
私たちはまた衣服を乱して、時は流れていった。
終わり
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長谷夏子(プロフ) - noche/ノーチェさん» ノーチェさんコメントありがとうございます。本当に励みになります、とても嬉しいです。更新を迷っていましたが、まだ続けようと思います。こちらこそ、ありがとうございました！ (2022年9月27日 23時) (
レス) id: 394b5918dd (このIDを非表示/違反報告)
noche/ノーチェ(プロフ) - この作品をもっと早く見つけたかったです。わたしは百合が大好きですが全く百合の夢小説が見つからなくてへこんでた時にこの小説を見つけました。すっごいこの作品の虜です、遅いかもしれませんがこれからも更新を無理をしない程度に頑張ってください。長文失礼しました (2022年9月26日 20時) (レス) id: 958fbd2e0b (このIDを非表示/違反報告)
長谷夏子(プロフ) - ぽんさっく。さん» コメントありがとうございます。忙しく更新が遅いですが、鋭意執筆中です！いつも読んでいただいているのにお待たせしてすみません。 (2022年4月6日 16時) (レス) id: 394b5918dd (このIDを非表示/違反報告)
ぽんさっく。(プロフ) - 続きが気になります！どうか続きを書いて頂けないでしょうか<(_ _*)> (2022年4月3日 23時) (レス) id: 2341f2a9e5 (このIDを非表示/違反報告)
長谷夏子(プロフ) - 花っち�擦気�» ご感想ありがとうございます。言葉選びには気をつけたつもりだったので、とても嬉しいです！励みになります！ (2019年10月17日 13時) (レス) id: 28dcf1f165 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長谷夏子 | 作成日時：2018年12月23日 0時
