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「今なにやってるん?」
「予算の件で、ちょっと。CF社のスズキさんからの返信待ち」
「え〜それどんくらいかかるん」
「わかんない、出来れば今日はやく帰りたかったんだけどな……」
お湯を入れてきてくれたカップ麺を受け取り、
割り箸を持って、いただきます。
もわもわと登る湯気に遮れて
画面を見ることを諦めた。
ずず、ずるずる。
うん美味しい。
「書類提出しといたよ」
「りょ。」
「その、りょ、ってのやめなって。略しすぎ!どんだけ面倒くさがってんの」
「ま〜ま〜ええやん。…うめえ!ちょ、これ食べてみ」
「よくみたらそれ新作じゃん!ちょっとアンタそういうの先にレディーに渡しなさいよ」
「レディーて!」
「笑うな!」
うどんと焼きそば交換こ。
ずるずる、ずっ、ず。
うっわ、この新作めっっちゃ美味しいし!
思わず顔を緩ませてたら、
呆れ顔で、仕方なさそうに笑われる。
「もー俺、うどんでいいわ。あげるそれ」
「ありがとー!!」
「ほんっと食いモンのことになると、すげ幸せ面するよな」
「それは褒め言葉として受け取っていいのかしら〜?」
「………将来、メタボに気をつけてな」
「はあん?なんですって!!」
「ほんとお前ら仲良いな〜。熟年夫婦か!」
濱田先輩が向かい側の通路から
ぴょこりと顔を出してくる。
にこにこにこ。
癒されるなあ。
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作者名:ゆい☆ | 作成日時:2014年12月15日 17時