25 ページ25
「いつものとこでええかな?」
「うん」
モヤモヤした気持ちを抱えたまま
待っててもらった藤井と部屋を出ようとしたら、
その出入り口にやってくる男の人。
確か…取引先の、お偉いさん。
「涌井は居るか」
「え?あの…どのようなご用件で」
「涌井は居るかと聞いてる」
「はあ…」
対応した藤井をさっさと横切って、
ズカズカと中へ入ってくる。
何事?ってザワザワし出して。
あ。涌井さん。
因みにトイレで藤井下さいとか言ってきたのも、この子。
そしたら、そのお偉いさんがいきなり怒り出す。
どうやら、涌井さんの担当してたやつで、
ミスしちゃったみたい。
涙目になってる涌井さん。
そりゃミスしちゃったのは駄目だけどさ…
こんな公衆の前で怒られたら、ねえ…
でもこんな時間に来るなんて、幾らこっちが悪いとはいえ、ちょっと非常識かも。
どうこの場を収めようか、考えてたら
そのお偉いさんがとんでも無いこと、言い出した。
「これだから女は!」
「すいません…」
「マトモに働けないなら辞めちまえ!そんで女なんだからはやく結婚でもすりゃいいだろ」
「そ、そんな…」
「辞めちまえ」
カチンときた。
どうにもこうにも、
我慢できない。
「なんですかそれ!」
気づいたら、叫んでた。
別に、涌井さんの為じゃない。
けど。
だって。
「女だからって馬鹿にするのやめてください!」
どうしても、許せない。
女だからっていう、偏見。
涌井さんだって…
あんな性格悪いけど…
庇うわけじゃないけと…
一生懸命仕事してるのに!
1082人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆい☆ | 作成日時:2014年12月15日 17時