笑顔をみせてよハニー！【D.S】 (ページ21)

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「……まあ、気づいててんけどね。なにあったんか知らんけど。いつもは纏わりついてくる藤井先輩が、やけに距離、とりたがってるみたいやったから。」

「纏わりついてくるってそんな事してない」

「そうやん。べたべたべたべたくっつきよるからに！」

「べたべた？！してないよ！！相手は藤井だよ？！！」

「……マジか…もしかして気づいてへんの？」

あ～あ、って落胆して
面倒くさそうにする。

そんな反応されると思ってなくて、
傷ついてる自分にビックリ。

こんなときに、
もうこんなにも重岡くんのこと好きなになってるんだ、って気づかされる。
とんだ誤算だよ…

「A先輩と藤井先輩の距離の近さは異常。」

「普通、だよ？」

「ちがうの。普通じゃないの。ほんとにわかってへんの？」

「…………ぁ、……」

そうだ、
トイレで藤井先輩下さいとかわけわかんないことお願いしてきたあの子達。

私と藤井が、付き合ってると思ってたとか言ってた。

あのときは、そんなことあるわけないのにって軽く流してたけど
もしかして、あの子達だけじゃなくて、みんなにもそう見えてるってこと？

「チラッとみただけで些細な表情の変化に気づいたり、飲み会の席が隣同士に指定されてたり、他の人とは言わんような貶し合いしたり！」

「うん…」

「それって普通？普通ちゃうやろ！どっからどうみたってそれ……」

それ恋人やん、って言う重岡くんの瞳が

一瞬だけ、
寂しそうにみえた。