今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:82,936 hit
小｜中｜大
13 ページ6
.
少しずつだけど廉との二人暮らしにも慣れてきた。
入浴中は脱衣所の鍵を閉めるようになったし
向かい合って食べるご飯も、並んで見るTVも
買い出しも掃除も洗濯も、なかなか楽しくなってきた。
ただ厄介なのは廉のご飯を食べる量。
白米だけで平気で何回もおかわりする大食いだから
二人暮らしなのに消費量が半端じゃない。
おかわり禁止令を出してもふてくされるだけなので
仕方なく解除してみるけど何も変わることは無かった。
そんなある日
近くのスーパーで買い出しをした帰り道。
並んで歩く廉が重い荷物を持ってくれたので助かっていた。
家までの道のりは学校の通学路と同じで
この姿を見られると不思議に思われるのだが
荷物の量と寒さで遠回りは出来ない状態だった。
「 チャリンコやったら少しは楽やったな。
空気入れどこにやったん？ガレージ？ 」
「 この前廉使ってたよね？片付けたの自分でしょ 」
「 この前って一体いつの話してんの？
そんときオトンもおったで。だいぶ前やろ 」
「 だとしても使ったのは廉でしょ。私は知らない 」
「 はいはい。帰ったら探してみます 」
左手に持っていたエコバッグを持ち直して溜息を一つ。
喧嘩になりそうになったら身を引いて溜息を溢す。
それが廉の大人びた性格であり
私の子供っぽい性格を一層際立てる行為でもあった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 467人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「永瀬廉」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いと | 作成日時：2020年10月27日 17時
