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みんなが嫌う冬季講習も終わって
ようやく家でくつろげる冬休みになった。
未だに帰ってこない両親に不安を覚えながらも
私は海人の家に向かって歩いていた。
今日はクリスマス。
お泊まりはしないものの、
今年も海人と一緒に過ごす幸せな時間がやってきた。
玄関先、チャイムを押して数秒待つと
中から籠もった声で返事が聞こえてきて
開いた扉から顔を出した海人が私を見て微笑んだ。
今日は両親いないからって通されたリビング。
家族写真や習っているダンス教室の集合写真が並ぶ
明るい雰囲気の空間で海人が買ってくれたケーキや
お菓子を机に並べてパーティーがスタートした。
プレゼント交換やゲーム、幸せな時間。
「 A〜、一緒にクリスマスツリー準備しない？ 」
ショートケーキの苺を食べていると
リビングから離れていた海人が箱を持ってやってきた。
「 Aと一緒に出すって親に言っちゃってさあ、
今日限定になっちゃうけど 」
「 うん！飾ろ！ 」
両親に私のことを言ってくれているのを初めて知った。
私も何度か母親に話したことはあるけど
まだ再婚する前だったから父親には話していない。
そんなに大きくはないけど完成したツリーを
少し遠くから眺めてキラキラ光る電飾を見ていた。
「 A 」
ソファーに並ぶ隣の海人を見る。
「 大好きだよ。ずっと一緒にいようね 」
照れたように言葉を並べると顔を近付けて
そっと唇を重ねる。
ほんの少し顔を離して
「 私も 」
そう口にすると海人は優しく抱き寄せてくれた。
そんな海人が大好きだった。
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月27日 17時
