私のキョウダイ2 (ページ4)

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放課後

スイッチが切られた暖房はまだほのかに暖かく

ギリギリまで温まっていたいと思う生徒が

窓側にズラリと並んで立ち話をしていた。

その様子を教室に入ってきた海人が見て

「何の行列かと思ったぁ！」と驚いていた。

その列に並ぶことなく席を立ち、肌寒い廊下に出る。

「 A！」

背後から私の名を響かせる声がした。

振り向いて多くの生徒の中から声の主を探せば

そこには廉が立っていて、周りを気にすることなく

私に駆け寄りただひたすら前に進んで歩いていく。

訳も分からず廉の背中を追った。

「どしたの？」

「あの後輩が海人に会いにこっち来てるの気付いた」

「一応後輩の計画通りに進んでるもんなあ」

私と海人を別れさせた後、弱みにつけこんで

廉と付き合うのでは？と予想している私達。

果たしてこれがこのまま進むのかは分からないが

今のところ廉の中で後輩は恋愛対象に入ってないらしい。

「ほんまは海人目当てやったかもしれへんな」

「逆に？」

「俺目当てって言っといてほんまは海人が好き。

でもAと付き合ってるから勿論付き合えへん。

ならどうするか、Aと別れさせればええやん！

ってなって俺を利用して別れさせた。

別れて少なからず弱ってる海人を支えれば

あいつも後輩に気が向いて付き合うかもしれん。

全ては後輩の計算通りやったってことやな～だる」

頭の回転が速い廉は今回も読みが早い。

そして最後の＂だる＂がよりリアルで

本当に嫌な時しか出てこないそれは廉の今の気持ちを

密かに教えてくれるとても大切な単語だった。

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