私のキョウダイ2 (ページ26)

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放課後

みぞれで濡れたコンクリートを海人と並んで歩く。

昼休みに聞いたことを話してみようと思った。

「あのさ、海人」

「ん？どしたあ？」

閉じた傘を左手に持って

傘の先、石突きと呼ばれる部分を

リズミカルにコンクリートを突いていた海人は

脱力した声で返事をした。

「海人が先輩に狙われてるって知ってる？」

単刀直入に隠すことなく質問する。

何も隠すことは無いのだ。

「 …西島先輩のこと？」

「うん。気付いてた？」

「まあねえ…朝登校すると必ず昇降口の前で

おはようって声かけられんのよ。

普通に返してるけどそれ以外は何も」

友達から聞いた話とは違う話が飛んでくる。

二人は既に日常的な会話を交わしていた。

「もしかして俺が目移りするとでも思ってる？」

「目移りっていうか…私のだし… 」

「嫉妬じゃんそれえ！可愛いなー！」

右手で私の髪をわしゃわしゃしながら喜んでいる。

「 Aが廉と一緒にいる時こんな感じだった。

俺のAだぞーって。仲良くするなよーって」

「それは本当にごめん。勘違いさせちゃってた」

「もういいんだよ。また隣歩けてるし。

俺がその先輩に他のことで声かけられたとしても

ついていくことは無いから。安心して」

「ねっ」と加え足元の水溜りを大きく越えてみせた。

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