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◆Kaito side �� ページ16
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��俺らもう一回やり直せないかな��
大きな波の音とカモメの鳴く声、自分の心臓音。
潮風に吹かれ寒そうにしている彼女は
しばらく無言のまま俺の目をジッと見つめていた。
休日になると電車に乗ってよくこの海岸に来ていた。
名前の通り海が好きで
いつも違う表情を見せる海にどこか憧れていた。
ずっと前、廉のことが好きな後輩から
廉とAが海岸周辺の最寄駅にいると連絡が来て
シューズを履こうとした手を止めたことがある。
丁度その海岸に行こうとしていたんだけど
俺と付き合ってるはずのAが
転校してきたばっかの廉と二人で過ごしていることに
怒りを覚え、行く気が失せてしまった。
付き合ってから一度も訪れたことのないこの海岸に
いつAを連れてこようかずっと迷っていた矢先
廉に先を越されてしまったのだ。
Aが発熱で学校を休んだ時も
廉は俺より先に彼女の家にいて玄関を内側から開けた。
どうして転校してきたばっかのやつに家を教えて
看病してもらってるんだ？
早く良くなるようにって買っていたゼリーを
怒りに任せて突きつけるように廉に渡して帰った記憶。
この二つで確実に二股をかけられてると思った俺は
距離を置いた後に正式に別れを告げた。
戸惑うことなく頷いた彼女は
すぐにでも廉と付き合うんだろうと思っていた。
でもそんなことなかった。
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作者名：いと | 作成日時：2020年10月27日 17時
