検索窓
今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:25,959 hit

第5話 ページ6




ここ()で訓練を始めて早4週間、訓練の成果はまだ出ていない。


「まぁまだ4週間だしな、大丈夫だ」


とは言われているもののやはり成長の遅さに不安を覚える、
そんなことを考えていると音楽が鳴り始め、


「行くぞ」


音楽が鳴るとオリバーと風車に帰るのが日課になっている、音楽が鳴ったらすぐさま帰るので結局鬼は見た事がないのだけど。

「ナイフ抜いてから行くね」

「ん、早くしろよ」

一応ここ()バイヨン卿()達が住んでいるところから一番遠い森だ。ちなみにナイフで何をしていたかというと、的に当てる練習をしていたのだ、が。中心どころか的にすらあんまり当たらない。



「なんで当たらないかなぁ…」



日光の眩い光を反射するナイフを見ながら戯言を(こぼ)す姿は、我ながら滑稽である。





「なにが、当たらないんだい?」





 後ろから急にかけられた日常で使われる''只の''言葉に、私は硬直した、恐怖で汗も出ない程に。

鬼だ

その言葉でAの頭は埋め尽くされた。



「ああ失礼、名乗るべきだったかな?



私の名前は''レウウィス''」



覚えがあるだろうと言いたげに名乗ってきたソイツは、多分、笑っている。

レウウィス、ルーカスさんより強い、食べられる?わからない、どうすれば良いのかも、鬼の急所は目だったよね?
急所、という言葉が浮かんだ瞬間、後ろからの声の元、つまり上にナイフを刺そうとした、が。


「おやおや、随分(ずいぶん)生きのいい子だね」


力を振り絞って振るった腕は、


「嫌いじゃないよ」


と言う大公(レウウィス)に掴まれ、声の主には届かなかった。仮面の奥で怪しく光る目は私を見ている。
仮面…そうだ仮面を付けてるんじゃないか…

考えがまとまらない、今になって出てくる汗にも困惑して、平衡感覚が失われていくのがわかる。
なんで仮面つけてる事も考えなかったんだ?

「面白い」


ーー

第6話→←第4話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.6/10 (88 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
81人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

-  ステキな作品を書いてくれてありがとうございます (2023年2月14日 21時) (レス) @page19 id: e97eef8072 (このIDを非表示/違反報告)
月影シオリ(プロフ) - レウウィス好き過ぎて「レウ」と読んでしまう夢女は私です!←…ごめんなさいw 作者様の書くレウウィス公がほんとイケおじ過ぎてかっこよくて大好きです! (2021年5月16日 18時) (レス) id: 93cdb2de7b (このIDを非表示/違反報告)
ココロ(プロフ) - はじめまして。最近約ネバ読みはじめて、レウウィスが生きてたシーン見てレウウィス沼にドボンしました。血眼になって探しても他になかったので、更新再開が嬉しいです。応援しています、更新頑張ってください! (2021年2月24日 21時) (レス) id: ab8077af61 (このIDを非表示/違反報告)
山葵醬油 - すごく面白いです!続き楽しみに待ってます! (2020年12月12日 14時) (レス) id: 61cb7b491c (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - それ私も思いました!この作品を見てレウウィスの作品他にもないかなと思ったら全くなくて、だから、更新されて凄い嬉しいです!続き楽しみにしています。これからも応援しています!!! (2020年11月23日 15時) (レス) id: e068332aca (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:薙(nagi) | 作者ホームページ:http  
作成日時:2019年4月15日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。