生け花【約ネバ】

序章「私の結末」 ページ1

「元気でね！」

寂しさが混ぜられたお別れの言葉を言ってくれたのは私と同い年女の子、つまり11歳、触覚みたいな髪の毛が特徴で、私と違って運動が得意だ。

「あっちでも元気でね」

私と同じ白い髪、私は知ってるノーマンが、エマの事を好きって事、2人の恋事情を知れないのは残念だけど、今ここにいないレイに手紙で教えて貰う事にした。
私だって里親が決まって嬉しいけど、みんなと会えなくなるのは悲しい、だからみんなに手紙書く事を心に決めて、可愛らしい便箋をママにねだったのは一つの思い出。

「そうよ、みんなもAとはお別れよ？」

ママがそう言うと、みんなが私へお別れの言葉を告げたりしてきた、私に頑張って、だとか手紙楽しみにしてるよ、だとかたくさんの言葉を貰って、柄にもなく大泣きしてしまった。

心の準備ができた頃にはママがランタンに火を灯していた。


門へ向かう途中、きっと私は此処に帰って来たくなってしまうな、と思いしみじみここでの生活に思いを馳せる。気分を紛らわす為にたわいも無い事をママに投げかける。

「ママは私のどこが好き？」

するとママは優しく笑って

「全部よ」

と言って私の頭を優しく撫でてくれた、ママの手はいつもよりあったかく感じてなんだか不思議、空がくすんでるのはちょっと残念だけど。

「そう言えばバッグには何を入れたの？」

「レイからオススメされた難しい本、ペンと紙とか…後は生活用品とかかな？」

レイからオススメされた難しい本と言うのは、私が里親に引き取られる前に全部読む事が出来なかったので持ってきた、正直内容はよくわからないけど。
そんな問いを繰り返していると門へ付いてしまって、もう一度孤児院を見てばいばい、と小さく手を振る。

「A、ちょっとまっててね」

「うん」

ママは違う部屋に行ってしまった、特にすることも無いので始めてみる車を見たり、バッグの中を確認したりして自分でもドキドキしているのが分かる、楽しみで仕方ない！
扉が開く音がするとママが戻ってくるのが見える、
ママがいた部屋にいるであろう里親を一目見ようと

した、はず。


私を襲ったのは暗転で、




　？


…音楽？

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