14話 ページ14
伊達、ヒロ、松田、萩原の順番に名前があり
開くとそこには
私が送り返しても彼らの元にはもう二度と届かない
私が未だに返信していない彼らからの最後のメールだった
ここだけは、みんなが亡くなった時から時間が止まったまま
私はその携帯を胸に抱きしめて
それを包み込むかのように、俯いて声を押し殺して涙を流した
零がいると落ち着くから泣く事は...ないんだけどな...
『強くなりたい...もう...誰も失わないように...』
すると
業「誰も失いたくない??」
『えっ...?』
人の気配に気付けなかった...普段なら...気付けるのに...
これで公安が務まるわけが無い...
『いたんだ』
業「うん、寝れなくて気分転換でね
天宮ちゃんも寝れないの?」
『うん...家以外で寝ると...どうしても思い出しちゃって...』
業「そっか...なにか...あったの?」
少し聞きづらそうに、こちらの様子を伺うように彼は聞いてきた
彼なりの優しさなんだろう...
『大切な人達は...みんな殉職したの...』
業「警察官だったんだね」
『うん...
みんな私の目の前で亡くなって行った...
やろうと思えば...手の届く距離だった...
私に力が無いから...行動ができなかったから
だから...みんなっ...!』
業「それは違うんじゃない?
まだ天宮ちゃんは中学生だから助けたくても助けられなかったんじゃないの」
そっか...今は私は中学生...
業「それにさ、亡くなった人達は
天宮ちゃんのこと力が無いとか、行動ができないとかそんな事思ってないと思うよ
そんなに自分の事責めたら、亡くなった人達は悲しむんじゃない?
きっと、笑顔が天宮ちゃんがみんな好きだと思う」
『そうだとしても...無力な自分が憎い...!』
彼は私を抱き寄せて
業「俺だけでもいいからさ、その背負ってるもの
全部話してよ
俺も一緒に背負ってあげる」
無理...無理だよ
私には極秘情報ばかり
君が知ってるのは偽物の私で
それに、話してしまったら君だけでなく、君の両親、E組のみんなまで危険に巻き込んでしまう
『ありがとう』
彼に話せる事はないけれど、私の事を支えようとした彼に感謝を伝える
そして彼の腕から離れて立ち上がる
『話してたらなんかスッキリしたよ!
なんかよく寝れそうだよ、大部屋に戻るね、おやすみ!
業くんもちゃんと寝てね!』
業「...おやすみ」
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作者名:イアデビル | 作成日時:2022年5月3日 1時