甘ったるい彼等④【短編集】(雪男) (ページ7)

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ラウール side

「今日の格好で会いたくなかった…っていうか…」

『へ？』

想像の斜め上の返答に、今度は素頓狂な声が出る。

「だからぁ、、その、こんな服で会いたくなかったの」

『いや、え…？』

「ラウと会うときには綺麗で居たかったのに…
　こんな格好にすっぴんメガネなんて…」

最悪だ…と頭を抱えるAちゃんを思いきり抱き締める。

『もぉ、心配した。違う人のとこ行っちゃうのかと思った…。』

「ごめん。それだけは無いよ絶対に、大好きだもん。」

『うん、僕も大好き。』

ストレートに物を言ってくれるところが大好きだし、だからこそ僕も真っ直ぐにAちゃんを想ってられるんだ。

『あのね、僕はAちゃんが大好きなんだよ。服がなに？そんなのただの外装じゃん。いつもの綺麗な格好も素敵だけど、Aちゃんが身に付けるなら、パジャマも今日のそれも同じくらい素敵だって思う。』

びっくりした顔をしたあとに嬉しそうに抱きつき返してくれる
Aちゃん

『それによく似合ってるよ、そのデニムとパーカー。
　何気にパンツ姿見るの初めてで、嬉しいし』

「足、短いから、、」

『どこが(笑)Aちゃんの身長なら十分長いよ、バランス良いし。あ、今度お揃いのパーカー買おうね。』

「えーーーー、、、はぁ…幸せだぁ」

また斜め上な返答だけど、イエスってことでいいんだよね？

色んなAちゃんが見たいし、どんな姿も僕の中では誰より一番愛おしいから、安心して晒け出してくれるようになるまで何回でも伝え続けるよ。

.

.

『さっきね、火球見かけたんだ』

「えーすごい！」

『でしょ？めめとこの興奮分かち合ったんだけどさ、Aちゃんまで見つけちゃって、今日ほんとにツイてるわ』

「火球と並べないでよ…」

『そうだね、めめに火球よりいいのと出会ったって言っとく』

「えっ？ちょっと、やめて！」

『ごめん、もー送っちゃった(笑)』

自分から送ったくせに"羨ましい、俺も会いたかった"って返事が来てちょっとムッとしたって言ったら、Aちゃんにもめめにも笑われちゃいそうだから黙っておくことにするね🤫

Fin.