甘ったるい彼等④【短編集】(雪男) (ページ33)

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you side

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あの日、泥酔した状態で仕事場を訪ねてきた元彼

いつもなら大将が追い返してくれるのだけど、私が出なければ暴れだしそうな雰囲気にこれ以上迷惑は掛けられないと意を決して外に出た。

その後はいつものように殴られ罵倒され、ヨリを戻さないなら一緒に死のうなどとほざかれて、あぁもう私の人生こんなもんかと
薄れていく意識の中、最近よく聞く声が聞こえてきて

幻聴を聞くほど好きだったのなら最期に気持ちを伝えておけばよかったなぁと後悔の中を揺蕩って、ぼんやりとしていた意識がクリアになって助かったと安堵した時、何故かその人の家でその人に抱き締めてもらっていた。
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翔太くんに助けられたあの日からもう三年が経つ

強い愛に守られっぱなしの三年だった。

付き合ったその日に『ここに住んでほしい』と言われ、驚いてさすがにそこまでしてもらえないと断わると、何故か少し泣きそうになりながら『お願い、守りたいんだよ』と頭を下げられ、嬉しさと安心感の中でこちらが折れてあれよあれよという間に同棲が始まった。

引っ越しは何かあっては困るからと、『コイツ強いの』と連れて来られた逞しい体の岩本さんに手伝って(見張って？)もらって、元々少ない荷物を断捨離して短時間で済ませ

スマホも彼が買ってきてくれた(向井さんに手伝ってもらったらしい)ものに変更し、SNSもすべてイチから登録し直して完全にあの人との縁を絶ち切った。

彼の周囲の人はみんな口を揃えて
＜あんな翔太見たこと無いよ、よっぽど惚れてんだね＞
と言うので本当に照れるし、本当に申し訳なくなるけど

決まって
＜Aちゃんと居るとほんとに幸せそうだから
これからも二人で沢山幸せになってね＞とも言ってくれるから
本当にこの人と出会えてよかったと心からそう思ってる。

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