甘ったるい彼等④【短編集】(雪男) (ページ25)

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康二 side

「変やで康二くん」と訝しむAを見て、やっぱり気持ちは伝わってへんし、何なら良からぬ考え起こしてんちゃうかと不安になった。

『俺、言わんでも伝わってるって勝手に思ってた
Aは分かってくれてるって、けどそんなんあかん
何のために口付いてんねんってめっちゃ反省してん

いざ言おうと思ったらなんか、その、、恥ずかしくて
酔ったフリとかしてもうたけど、好きって気持ちはほんまやから。

　Aの気持ちはもう、変わってもうてたりする…？』

後半の声の震えは気付かんフリしてほしい
不安と緊張で胸がうるさいねん

ぎゅっと拳を握ってAの目を正面から捉える

しばらくの沈黙のあとAの瞳が俺のと交わり、拳に掌を重ねられる

「康二くんのアホ……私も好きに決まってる」

Aの手が俺の手を解いて、指を絡めてくれるから安心してちょっとだけほっぺが濡れた

「でも正直、気持ち離れてもうたんかなって不安やった…」

『…ほんまごめん。ほんまに誓う、もうそんな思い絶対にさせへん』

俺の胸に納まるAはほんまに嬉しそうで、もう二度とこの笑顔を曇らせへんようにしよって強く思った。

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一度口にしてしまえば存外素直に言えるその言葉

『ほんまに好きやで』

「うんうん、私もだよー」

『もぉ！ちゃんと聞いてる？』

「聞いてる聞いてる」

『１回多い！人が２回言うときは大体適当やねんから！』

「もーー、そんな安売りされたら逆に嫌や」

『あぁ、そうか、そうやな、、んーーーー』

「でもありがとう。康二くんの気持ちいっぱい伝わった」

『……やったらもう別れようとか考えんといてな』

「え、バレてた？」

『え、、ほんまなん？！』

「…カマかけただけか」

『まってまって、ほんま？！』

「あーー、嘘嘘」

『適当やんかぁ！！！』

危な、、間一髪すぎるやろ、、
俺の慰め会なんか一生必要ないから！

しつこすぎるくらい伝えることをここに誓います！！！

Fin.