甘ったるい彼等④【短編集】(雪男) (ページ23)

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you side

明るいし、お調子者だし、人とのスキンシップだって多いくせに
恋人との絡みは何だか照れ臭いようで、外では腕だって組まないし、家の中ですらベタベタと触れ合うことは好まない彼

…寂しいかと聞かれれば、それはイエスだ

好きだよと伝えれば、ハグやキスを返してくれるけど
メンバーさんや仲の良い友達との差異が私には分からなかった。

それはたぶん、付き合う前に友達の期間を過ごしていたからで

彼と出会ったのは、私の仕事先のコーヒーショップだった。
ふいに出る私のイントネーションで同郷だと知られ、そこから
親近感を抱いた康二くんがよく話しかけてくれるようになって

仕事場でよく話す仲からご飯に行くようになり、たまにどちらかの家で鍋をしたり、互いの買い物に付き合ったり、キャンプやドライブに誘われて出掛けたり

１年、そんな関係が続いたのにそれ以上の進展はなくて
精一杯気持ちを押し殺して男女の友情を成立させていたのに
ある日のドライブ帰り『好きやから、友達やめたい』と告白され、嬉しさで号泣する私を『それどっちの反応？！』と戸惑いながらも抱き締めてくれた日をきっと死ぬまで忘れないだろう。

そこからあれよあれよと２年が経ち、同じ鍵を持つ仲になったけど、付き合った当初から今まで"好き"と彼が口にする回数は変わらず少なくて、数ヵ月その言葉を聞かないなんてことはザラだった。

ほんとはもう、気持ちなんか無くて
それを言い出せないだけなのではないか。

そう考えてしまうようになったのは最近の話ではない。

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だから、３年の記念を迎える明日
別れ話を切り出すつもりだった。

私の気持ちに変わりはない

だけど、情や惰性で一緒に居るなんてそんな悲しいことはない。
ならきっぱりと離れてしまいたいと、勝手に思い詰めていた。

「なんでこんなときに言うん…」

『Aと離れたくないから』

「…」

『俺はAが好き。Aとこれからもずっと一緒に居りたいし、この先のどんな景色も一緒に見たい。』

ずるいな、、
お酒のせいだと分かっているのに期待してしまう

「………酔いすぎちゃう？変やで、康二くん」

『あとごめんがもう一個。ほんまはあんまり酔ってへん』

「…え？」

『だっさいな、、俺
　酔ったフリなんかして』

「…酔ってへんの？」

『おん、そんな飲んでへん』

「なんで、」

なんでそんなことを

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