甘ったるい彼等④【短編集】(雪男) (ページ22)

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you side

むぎゅむぎゅと肩を抱いてくる康二くんに邪魔をされなから鍵を開け玄関に入ると、靴を脱ぐ間もなく唇を塞がれる

「ちょっ、と…！」

胸を押してみてもびくともしない。案外力強いんだよなぁと思いながら諦めてお酒臭いキスを受け入れていたけれど、本格的に呼吸が苦しくなってきたので強めに背中を叩いて抗議する

「っはっ、、くるしい」

『…A、すきやで』

「はぁっ、な、に？」

『好きやでって。ほら、靴脱いで』

唇を離した僅かな隙間で囁かれる愛の言葉

『早よして。こっち』

「待って、お風呂は？」

『いらん。おれ今すぐAとイチャイチャしたい』

「…」

『Aは嫌…？』

「じゃないけど、、」

『ほんなら大好きー！っていっぱい言わせてや』

デレデレと目尻を下げ、へらへらと口角を上げる康二くんに圧倒され上手く言葉を返せない

『なにぃその顔』

「え、？」

『びっくりぎょーてん！って顔してる』

こぉーんな顔！って振り返ってくるけど、私はやっぱり上手く言葉を紡げなくて。そんな私の頭をぐしゃぐしゃと撫で、そのまま胸の中へ納められてしまうと、アルコールのせいでいつもより高い彼の体温が近くなる

『おれほんまにAが好きやねんで
　恥ずかしいからいっつもよー言わんけど…
　ちゃーんと大好きやし、愛してる
　ごめんな？いっぱい言ってやれんくて』

顔を上げると、さっきとは打って変わって真剣な顔の康二くん
なんならちょっと泣きそうな顔してる

「酔っぱらいめ…」

『ん、、ごめん、酔ってるとか関係なくほんまに好きやから』

「なんでこんなときに言うん、、」

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